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2023.08.09

E-0144.三次元測定機の運動誤差について— M.H

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三次元測定機の運動誤差について

発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/

連載「測定の新常識!?SOLがお伝えするノウハウ!」
2023年8月9日号 VOL.144

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
X線CTによる精密測定やアプリケーション例などをテーマに、
無料にてメールマガジンとして配信いたします。

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営業技術グループの長谷川です。

夏もいよいよ本番を迎え、溶けそうなほどの暑さが
連日続いておりますが、皆様お元気でしょうか。

こう暑いと、エアコンに全力で頼りたくなりますが、
昨今のエネルギー事情から電気の節約を考えねばならず、
一歩踏みとどまって対策を考えることにしました。

第一段階として、サーキュレータを取り入れてみました。
確かに部屋内の温度にムラがなくなり、高い温度設定であっても
より涼しさを感じられるようになりましたが、
それでも暑がりな私にとってはまだまだ厳しい。

これはどうしたものかと考えていたところ、たまたま某動画サイトで
「凍らせたペットボトルを部屋に置くと湿度が下がる」というTIPSを
目にしました。

理屈は至ってシンプルで、低温の個体を部屋に放置することで
個体周辺の飽和水蒸気量を強制的に引き下げ、結露を発生させるというもの。
これにより空気中の水分を減らす・・・つまり除湿ができるという、
大変分かりやすものです。

そこで第二段階として、凍らせた1Lのペットボトルを部屋に置いてみました。
果たして謳われるほどの劇的な効果があるものかと疑っていましたが、
確かに湿度が数%下がりました。

プラシーボ効果かもしれませんが、いつもより湿気による不快感が
軽減されているような気もします。

実際に試してみて、効果が出るとそれなりに嬉しいものですね。
空のペットボトルさえあれば実行可能なので、興味がある方は
一度試してみると、楽しいかもしれません。


さて、本題に入ります。

今回お話するのは三次元測定機の運動誤差についてです。

三次元測定機や工作機械では、測定や加工のため、測定子や工具先端を
ある点のX, Y, Z位置から指令点のX, Y, Z位置まで移動します。

この時、実際の位置が指令位置に対して寸分の狂いもなく一致することが
理想ですが、現実はそうならず大なり小なりズレが生じます。

この誤差の機械的な要因は、例えばボールねじのピッチ誤差や振れ、
熱による膨張や収縮、ねじや案内面の摩擦抵抗、
移動体の重心の影響等、多数挙げることができます。

これらの誤差を「運動誤差」と呼び、例えば直進軸をX軸とした場合、
以下のように分類することができます。
(ISO230-1にて規定されている記号も併せて記します)

 ・直進位置決め誤差
  →送り方向(X軸方向)の誤差[Exx]

 ・真直度誤差
  →送りに対し垂直方向の誤差
   →Y軸方向の誤差[Eyx]
   →Z軸方向の誤差[Ezx]

 ・回転誤差(姿勢誤差)
  →移動体の向きの誤差
   →X軸周りの誤差:ロール[Eax]
   →Y軸周りの誤差:ピッチ[Ebx]
   →Z軸周りの誤差:ヨー[Ecx]

 ・直角度誤差
  →二つの直進軸の基準直線間の誤差(90°からの誤差)
   →X軸に対するY軸の直角度誤差[Ec(0x)Y]
   →X軸に対するZ軸の直角度誤差[Eb(0x)Z]

  直角度誤差以外の運動誤差は軸の移動に伴い変動するのに対し、
  直角度誤差は2軸の組み立て誤差により生じる角度であり、
  軸の位置に関わらず一定です。

上記の通り1つの軸に対し、
直進位置決め誤差、真直度誤差(2方向)、回転誤差(3方向)の
計6つの誤差があり、
さらに2軸間の直角度誤差が計3つ(X-Y間, X-Z間, Y-Z間)加わることで、
1つの装置に計6×3+3=21種類もの運動誤差が存在することが分かります。

これらの誤差が多大であれば、
三次元測定機であれば正しい寸法評価ができず、
工作機械であれば正しい加工ができません。
そのため、運動誤差を明らかにし、必要な精度を満足できるように
ハード面またはソフト面を調整します。

ですが、ハード面の調整には限界があります。
軸の構成を物理的に完璧な正方形(または長方形)に
追い込むことは現実的ではありません。

運動誤差の再現性が高ければ、ソフト面の補正で
必要な精度まで追い込むことが可能です。

そして補正を高い精度で実行するためには、
一つ一つの運動誤差を独立で明らかにし、
他の運動誤差の影響を極力受けない工夫をしながら
測定をしていく必要があります。

弊社の技術員がWerth製三次元測定機の運動誤差を補正する場合は、
ガラス製スケールやステップゲージ、グラナイトパラレル等の
基準器を使用し、色々な方向の運動誤差を
地道に測定し、補正していきます。

  21種類の運動誤差を補正するとなると、
  かなりの回数の測定をしなければならず、
  また1回1回の測定に非常に高い精度が求められるので、
  想像よりもかなり大変な作業になります。
  それ故に補正がうまく行くと、大変達成感があります。

装置の導入当時は問題がなくても、
構成部品の経年劣化や、外的要因(地震等)により
空間精度が低下することは有り得ます。


そのため、定期的な点検が推奨されますが、
頻度はそれぞれのユーザー様の考え方や社内ルール、
あるいはそのエンドユーザー様からの要求などによって、様々です。

点検時に、もし空間精度の低下が確認された場合は、
原因を調査し、必要に応じて補正作業を実施し、
要求される空間精度まで追い込みます。

しばらく点検を実施されていないユーザー様がいらっしゃいましたら、
是非一度ご相談下さい。

それでは、今回はここまで。
お読みいただきありがとうございました。


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