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2022.09.21

E-0129. 三次元測定機における真直度補正について — M.H

 
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三次元測定機における真直度補正について

発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/

連載「測定の新常識!?SOLがお伝えするノウハウ!」
2022年9月21日号 VOL.129

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
X線CTによる精密測定やアプリケーション例などをテーマに、
無料にてメールマガジンとして配信いたします。

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営業技術グループの長谷川です。

9月に入り、日が出ている間は暑いものの、
日の入り後や雨の日はめっきり涼しくなりました。


私は高校から弓道をはじめ、昨年末まで途切れることなく
続けていましたが、入社に伴う引っ越しでこれを初めて中断し、
転職後すぐで生活が落ち着かないことと、日中の暑さを言い訳に
今まで再開せずにいました。

しかし、そろそろ再開したいなと欲がでてきました。

胴着を着れば身も心も引き締まりますし、
良い射をして的に中った時の気分は非常によく、
私生活に非常に良い刺激を与えてくれます。

一方、調子が悪いとなかなか的に中らず、原因をあれこれ考えて
実行しても中々改善せず、
かえってストレスを抱えることがよくあります。

ただ、この時に必ず行う試行錯誤と考察のプロセスが
仕事に限らず常日頃考える癖を与えてくれていると感じます。

何も考えずにただひたすら数を重ねても意味がないし、
考えてばかりで試行回数を重ねないのも意味がない。

両者が揃って、初めて能力として蓄積されるものだと
競技を通して知ることができました。

Werthの製品知識、
機械や数学の知識、英語、プログラミング言語・・・
いずれも奥が深く、
やるべきことは人生をかけても覚えきれないほどありますが
地道に論理的思考と試行回数を重ね、覚えていこうと思います。


さて、本題に入ります。
今回は三次元測定機における真直度補正についてです。

以前、弊社メルマガにて「平行六面体の対角線の長さ」という
タイトルの記事を発信いたしました。

この記事で触れられている内容は、
三次元測定機(CMM)の軸補正に必要とする基本的な知識で、
精度改善を図る上で欠かせません。

ハードウェアのずれは物理的に修正するのが理想ではありますが、
これには限界があり、
軸の構成を完璧な正方形(または長方形)にすることは
現実的に不可能です。
そこで、ソフトウェア上で補正をかけることで、
必要な精度を満足する形に追い込んでいきます。

以前のメルマガでご紹介した内容は、
平行四辺形及び平行六面体の対角線を求めて
軸の傾きを明らかにし、
平行にずれたオフセット分を補正するためのものでした。

ただし、実際の軸は綺麗な直線状にずれるわけではなく、
うねったり湾曲したりと複雑な変形モードを示します。
この場合、仮にE1(1軸のみの精度)は良かったとしても、
E2(XY軸を同時に動かしたときの精度)や
E3(XYZ軸全てを動かしたときの精度)も良いとはならず、
誤差は測定距離に対して非線形の推移を示します。

その場合、オフセット分をいくら補正しても精度が改善しませんので
別の手法としてX軸とY軸の真直度誤差を測定し補正します。

では、今回はE2の精度を改善する手順に絞ってお話をします。

真直度誤差は、
 ・X軸を動かした際に発生するY軸の移動(以下yd)
 ・Y軸を動かした際に発生するX軸の移動(以下xd)
によって発生します。

この誤差の測定には、
各軸の校正に使用するガラス製スケールを使用します。
スケールには0.5mm×1.0mmの長方形のパターンが組み込まれており、
パターンの長手方向間の距離は
校正機関によって値付けされています。

各軸の精度点検は、このスケールをカメラセンサで測定し、
校正機関によって値付けされた距離と、装置が測定した距離の偏差を
誤差として求めていきます。

これに対し、真直度補正の際は、パターンの短手方向を使用します。
パターンの長手方向は軸の進行方向に対し直角ですが、短手方向は
軸の進行方向に対し水平です。
その為、これを任意のスパンで測定することで
どのポイントで真直度誤差が生じているかを知ることができます。

しかし、この時の測定値は純粋な装置の誤差だけではなく、
スケールの誤差も含まれているため、
そのまま補正に使用することはできません。
(スケールも当然うねったり湾曲したりと変形しています。)

ではどうするかというと、
スケールをひっくり返し、裏面から同じパターンの
短手方向を測定して解決することができます。

実例を挙げてみます。
ydを求めるため、
まずはスケールの表面を使用して測定した結果、
以下のような結果となったとします。
(これをAとします)

 X軸の移動量(mm) 0, 10, 20, 30, 40, 50
 y軸の移動量(μm) 0.0, 1.0, 0.5, -1.0, 0.0

続いて、スケールを反転し、裏面を使用して測定した結果、
以下のような結果となったとします。
(これをBとします)

 X軸の移動量(mm) 0, 10, 20, 30, 40, 50
 y軸の移動量(μm) 0.0, 0.3, -0.1, -0.4, 0.0

スケールをひっくり返せば、スケールの真直度誤差は
同じ絶対値で、符号が反転します。
そこで、以下の式が成り立ちます。

 A = 装置の誤差 + スケールの誤差
 B = 装置の誤差 - スケールの誤差

AとBが明らかであれば、純粋な装置の誤差は簡単に求められます。

 装置の誤差 = ( A + B ) / 2

上記の式により、
スケールの誤差をキャンセルすることができます。
これにより求められた装置の誤差は以下の通りです。

 X軸の移動量(mm) 0, 10, 20, 30, 40, 50
 yd(μm)      0.0, 0.65, 0.2, -0.7, 0.0

こうして求められた結果をソフトウェア上で補正することで、
E2の誤差推移は距離に対して綺麗な線形に近づきます。


このような系統誤差は、
大なり小なり発生しうる可能性がありますが、
上記で触れたような工夫により、
出来るだけ高い精度で測定することで精度改善に努めています。

今回の記事で、
その一端に触れていただけたようであれば幸いです。


それでは今回はここまで。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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M.H

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