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2019.02.20

E-0071. ミッション: CTの誤差要因を究明せよ! — M.S

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ミッション: CTの誤差要因を究明せよ!

発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/

連載「測定の新常識!?SOLがお伝えするノウハウ!」
2019年2月20日号 VOL.071

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
無料にてメールマガジンを配信いたしております。

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皆様ごきげんよう。営業の佐藤です。

前回1 月のこの連載で映画を観に行った話をしましたが
今月も映画を観に行きました。

今回は某有名ミステリー作家のベストセラーが
原作のあの作品を観ました。

2年くらい前に原作を読み、
私が監督で映像化するならどんなキャスティングにしようかなあ
なんて考えたことは覚えているのですが
肝心の内容はすっかり忘れていて自分でも呆れました。

ちなみに当然ながら私の思い描いたキャスティンングとは違ってました。


ミステリーの謎解きでは様々な疑わしい点を
一つ一つ整理して切り分けていくことが大切ですよね。


X線CTのデータにおける誤差、
これも色々と切り分けて犯人捜しをし、対策したいものです。


ところが、厄介なことに通常、
CTデータの誤差要因の切り分けや究明は
ミステリー小説のようにすっきりとはいきません。

先ず大前提として、CTとはレントゲン写真を
360度から数千枚撮像し、3Dに構成していく技術のことです。

ここでその数千枚のうちの1枚のレントゲン写真に注目してみましょう。

実際の画像はざっくり以下の4つの足し合わせです。

①理想の画像
②装置誤差
③ノイズ
④測定物起因誤差

①は何も誤差の無いあるべき姿です。

②ノイズとは
光源や検出器は外乱の影響を受けるため
画像にノイズがのります。

③の装置誤差とは
装置ごとの差や、測定時間による焦点位置の移動
などが考えられます。

④の測定物起因誤差とは
測定物の材質や大きさ、形状に起因するものです。
例えば透過距離が長すぎて透過しきれないなどが考えらえます。



なんだか眩暈がしてきます。

でもご安心ください!

TomoScopeは誤差要因を切り分けることができます。

まず②のノイズについては高度な画像処理技術が必要となります。

Werth社は投影機の製造販売から始まり画像処理で70年程の
歴史があり、その豊富なノウハウを用いて適切な処理をしています。


次に③の装置誤差については
TomoScopeのユニークな作り方に秘密があります。

TomoScopeは一度、三次元測定機として組み立てられてから
そこにX線管や検出器を加えるというプロセスで製造されます。

つまりTomoScopeの中は座標系が確保されているのです。
そのため装置自身が装置誤差を測定できてしまうため、
原因をつぶしたり、補正ができるのです。

三次元測定機メーカーであるWerth社だからこそできる方法です。


最後に④の測定物起因誤差は
測定物起因である以上対策のしようがないのでは?
と思ってしまいがちですが、TomoScopeはここにも強みがあります。

先程ちらっとWerthが三次元測定機メーカーであることを
お伝えしましたが、もっと言うと、マルチセンサー式の三次元測定機
のリーディングカンパニーなんです。

TomoScopeもマルセセンサー式の三次元測定機の
1つとして出発していますので、当然、TomoScopeにも
接触式や光学式など精度がわかっている
別のセンサーをつけることができます。

これにより、開発段階から多くのデータを比較分析し
フィードバックをかけながらハードウェア、ソフトウェア共に
改善してきたからこそ、CTのみでも精度が出せるようになったんです。


長くなってしまいました。

Werth社の装置や考え方はいつもややこしくて
自分でも理解に苦労するのに、
他人様に説明するとなるとさらに難しく、私の永遠のテーマでもあります。

ですが、このややこしさやこだわりこそが
ドイツのモノづくりの神髄なのかもしれません。



今週も最後までお読頂き、ありがとうございました。
それでは皆様ごきげんよう。


--
佐藤

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