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2018.08.22

E-0063. X線CT寸法測定の精度保証 — EC

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X線CT寸法測定の精度保証

発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/

連載「測定の新常識!?SOLがお伝えするノウハウ!」
2018年8月22日号 VOL.063

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
無料にてメールマガジンを配信いたしております。

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始めまして、中国出身の張です。
X線CT装置のフィールド関連の仕事をメインにしております。
今回は初めてメルマガを担当します。

最近猛暑日が続いていますので、
皆さん、熱中症にならないように水分補給を心がけて下さい。


今回の話は、X線CT寸法測定の精度保証 です。

近年、CTによる寸法測定は新しい技術として、
三次元寸法測定の分野に広がっています。

要求の厳しい寸法測定の業界では、
常にミクロンレベルの計測精度が求められます。

しかしX線CTでは、演算処理、ビームハードニング、散乱等の
様々な誤差要因が含まれており、
要求される精度を実現することは簡単ではありません。

また、その精度評価方法も議論が続いているのが現状です。

一般の三次元測定機の精度評価は、
規格によって、仕様や測定の不確かさが定められています。

CT寸法測定機はスキャン対象物とスキャン条件に強く依存する為、
精度評価の基準がないとも言える状態です。


TomoScope は、CTによる寸法精度保証を誰も実現していなかった頃から、
CT測定の精度を上げる為に、タッチセンサーや光学センサーを複合的に使用し、
測定したデータを融合することにより、CT測定データを補正し、
CT寸法測定精度を飛躍的に向上させました。

現在では、三次元測定機として軸校正されたベースの上にX線CTを構築し、
ディテクタのセンサー歪み補正、ズレ補正、感度補正、
さらには、アーチファクト補正、温度補正 など
様々な工夫改善によりCTの寸法測定精度が μm単位 まで大きく上がりました。

これら長年の開発努力によって、
X線CTのみでミクロンレベルの精度を保証するまでになりました。

三次元測定機ベースなので、必要があれば、
CT測定結果とタッチセンサーや光学センサーの測定結果と
比較することも可能です。


さて、三次元測定機では、国際規格の ISO 10360 によって、
プロービング誤差が評価されます。

ISO 10360 によると、基準となる球の25点を測定する方法で、
プロービング誤差が計算されます。


しかし、ISO 10360 を直接的にX線CTに適用することは、
課題が多く、未だ決着していません。

産業界は、規格の確立を待っていられないので、
ドイツは世界に先駆けて、CTでの精度検証の方法を提案してきました。

ドイツの VDI / VDE 2630-1.3 は、X線断層撮影の規格です。
また、VDI / VDE2617-13 は、一般的な三次元測定機の規格です。

ドイツではこの二つの規格を統合し、
既存のタッチセンサーと光学センサー測定機の基準に基づいて、
CTのプロービング誤差及び長さ誤差の評価を規定しています。

プロービング誤差については、

  PS(直径) = Da(実測値)- Dr(認証された値)
  PF(真球度)= Rmax(最大半径)- Rmin(最小半径)

という具合です。


ISO の議論が長期化している現在は、
ドイツのガイドラインVDI / VDE 2630-1.3(またはVDI / VDE2617-13)が
CT三次元測定機の唯一の拠り所となっています。

Werth社のX線CT寸法測定機 TomoScope では、
ドイツの技術審査認定機関である DAkkS の審査を通過し、
ISO 10360、VDI / VDE 2630-1.3(またはVDI / VDE2617-13)に基づいて、
下記精度を保証しています。

  球間距離精度   ≦ ±(3.5+L/100) μm
  球エッジ距離精度 ≦ ±(4.5+L/75) μm
  プロービング誤差 ≦ 4.5 μm


TomoScope は、CT装置としてのみならず、
従来の三次元測定機としても動作させることができるので、
純粋に ISO 10360 の規格に沿った精度検査もできるのです。


今、CT測定技術は、既存の測定技術と比較し、
まだまだ広く普及しているとは言えません。

この素晴らしい技術の理解と信頼を促進する為に、
国際的な ISO 精度保証基準の発展が重要になっています。

以上、今回は、X線CT寸法測定の精度保証 についてお話しました。

それでは、今日はこの辺で。
最後までお付き合い頂き、有難う御座いました。


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EC
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