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2023.12.13

D-0203.斜入射干渉計の歴史— T.T

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斜入射干渉計の歴史

発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/

連載「知って得する干渉計測定技術!」
2023年12月13日号 VOL.203

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
干渉計による精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
無料にてメールマガジンを配信いたしております。

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目の前に既に出来上がった装置があると、
何だがそれが当たり前のように感じてしまい、
長い歴史の中で多くの人々が関わって少しずつ積み上げてきた
結果であることを忘れてしまいがちです。

使われている技術の原理について学ぶことも重要ですが、
どのような歴史があるのかを知ることも理解を深める助けになります。


Tropelの干渉計にはいろいろな種類があります。
最近は、FlatMaster-MSP という 垂直入射フィゾー干渉計が注目です。

Tropelのラインナップとして、過去には、
トワイマングリーン干渉計や白色干渉計や
円筒面測定用斜入射干渉計もありました。
出荷台数のとても少なかったマイケルソン干渉計もありました。

それらラインナップ中でも、斜入射フィゾー干渉計は、
昔からのロングセラーであり、今でも主力製品で、
その原理を持つ FlatMaster や UltraFlat は、半導体業界の特定分野で
大きなシェアを持っています。


今回は、斜入射フィゾー干渉計の歴史について、
まとめてみました。

最初に関連する年表を羅列してみます。


 ・フックの発見    (1665) : いわゆるニュートンリングを発見し、発表。
 ・ニュートンリング  (1701) : ニュートンがニュートンリングを研究し、出版。
 ・ヤングの実験    (1805) : スリット2つを使って干渉縞を作る。
 ・ロイドの鏡     (1834) : スリット1つと鏡を使って干渉縞を作る。
 ・フィゾー干渉計   (1862) : フィゾーによるガラスの面測定のための垂直入射干渉計
 ・リニックの斜入射計 (1942) : Linnikによる斜入射干渉計の先駆的な発明(ソ連)
 ・レーザーの理論   (1958) : タウンズとショーローによる特許(ノーベル賞)
 ・実用的な斜入射計  (1959) : Saunders と Gross による発明。
 ・レーザーの発明   (1960) : メイマンによるルビーのレーザー発振
 ・レーザーフィゾー計 (1972) : 初のレーザーによる垂直入射フィゾー計(US4201473)
 ・位相シフト法の論文 (1974) : Bruningによる干渉縞解析の歴史的な発明。
 ・斜入射フィゾー計  (1978) : Synborski による発明。FlatMasterの原理の原型。
 ・Tropel斜入射の特許 (1980) : FlatMasterの原理の特許(US4325637)


歴史を読み解くときは、一個人が全てを体験することができないので、
信頼できる文献を調べ、ある視点に立って、
時間の流れや関連を頭の中で構築する必要があります。

干渉計の仕事をしていて、自分の場合、よく参照する本の一つが、
Malacara編 の教科書「Optical Shop Testing」3rd ed. です。
たくさんの文献が引用されているので、そこから原論文や特許文章を当たります。


干渉現象に関する歴史を網羅的に挙げると、それだけで膨大になってしまうので、
斜入射フィゾー干渉計の歴史の始まりとして、最低限、
フック → ニュートン → ヤング の流れは押さえるべきと考えました。
この流れは、光学の中でとても重要で、
波動説と粒子説から量子論に至るまでの話題としても面白いものです。

ロイドの鏡は、斜入射になっている例の初期の構成です。


そして、フィゾーの発明ですが、
フックの発見から約200年後というのは、長いと感じるか短いと感じるかは
人によって感じ方が違うように思います。

  フィゾーの業績はいろいろあるので、その中のフィゾー干渉計というのは、
  多くの業績の中の一つに過ぎないと知ると、フィゾーの偉大さが分かります。

  更にややこしいことに、フィゾー干渉計と名の付く干渉計はもう一つあり、
  物理学の歴史的には、もう一つの方が意義があります。

  今、工業用に使われているフィゾー干渉計は、物理学的には影が薄い方ですが、
  工業的な応用としては、非常に有効な原理です。
  こちらは、歴史的な影が薄い分、特許の年と資料を探すのに少し苦労しました。


斜入射干渉計で、面形状を測定する原理の原型は、
1942年の Linnik による発明からのようです。
ソ連の科学者なので、特許の文章を探しましたが、読めるものが入手できず残念です。

そこから、斜入射の流れは、
Linnik → Saunders と Gross → Synborski
となります。


レーザー干渉計という流れで見ると、
タウンズとショーロー → メイマン → レーザー垂直入射フィゾー計
となります。

歴史を端折り過ぎの感がありますが、人類がレーザーを手にしてから、
垂直入射フィゾー計に応用するまで、12年です。


もちろん、もっと多くの人々の偉業と関連があるわけですが、
Tropel の FlatMaster につながるまで、歴史をかいつまんで見るだけでも、
いくつもの系譜が連なっていることが分かります。


--
高野智暢

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