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2010.10.10

D-0027. 材料力学(vol.003):保持方法による変形とてこの原理 — TT

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材料力学(vol.003):保持方法による変形とてこの原理

発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/

連載「知って得する干渉計測定技術!」
2010年10月10日号 VOL.027

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
干渉計による精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
無料にてメールマガジンを配信いたしております。

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「保持方法による変形」シリーズの3回目です。

これまでの2回で、
「応力」、「ひずみ」、「ヤング率」、「中立軸」、「曲げ応力」
といった基礎となる考え方をご紹介しました。

023. 保持方法による変形とフックの法則
025. 保持方法による変形と曲げ応力

今回も基礎的な話として、
「曲げモーメント」、「断面二次モーメント」、「曲げ剛性」
の考え方をご紹介致します。

基礎の積み重ねだけだとウンザリしてしまうので、
当面の目的地を「自重によるたわみの見積り方」に設定します。
ここに辿り着くには、もう少し回数が必要ですが、
行き先が分かると多少進む気力が出てくるでしょうか。


<てこの原理>

さて、今回の話題には「モーメント」という言葉が出てきます。
「曲げモーメント」と「断面二次モーメント」は別物ですが、
同じ言葉が付いています。
そこで、まずは「モーメント」とは何だろうから始めます。

ここで思い出して頂きたいのが、「てこの原理」です。

1本の棒に支点を与え、
支点からの距離が d1 の位置に重さ W1 のおもりを乗せます。

すると、支点からの距離が d2 の位置に力 W2 を加えれば、
つりあいます。式で書くと、
  d1 × W1 = d2 × W2
です。

例えば、d1 = 5cm に W1 = 10kg重 のおもりを乗せれば、
d2 = 20cm の位置を W2 = 2.5kg重 の力で押すことで、
おもりを持ち上げていられることになります。

ここに出てきた「距離×力」を「力のモーメント」と呼びます。

一般に、こういった「距離×何か」のような量を「モーメント」と言います。


<曲げモーメント>

さて、ここまでで、「曲げモーメント」を説明する準備ができました。
「曲げモーメント」とは、物を曲げようとする力のモーメントのことです。

一端を完全に固定した棒のもう一方の端を
棒が曲がるように上から力 P で押してやると、
押した点から棒の長手方向に距離 x の位置での曲げモーメント M は、
  M = xP
となります。

様々な計算で、曲げモーメントを使う時のポイントは、
モーメントのつりあいの式を立てることです。

力のモーメントがつりあっていないことは、物体が回転していることになるので、
回転していない条件として、モーメントのつりあいの式が成り立つのです。


<曲げ剛性>

では、中立軸からの距離 y における曲げ応力 σ のモーメントを
その断面で足し上げた量:
  ∫σy dA
と断面が受ける曲げモーメント M のつりあいの式を立てます。
(ただし、積分範囲は断面積A。以下、断らない限り同様。)
これは、

  M = ∫σy dA

となるので、曲げ応力の式 σ = Ey/r を代入して、

  M = (E/r) ∫y^2 dA

となります。ここで、

  I = ∫y^2 dA

と置くと、

  M = EI/r

と書けます。
従って、Mが一定とすると、EIが大きければ、曲率 1/r は小さくなります。
つまり、EI は曲げ難さを表す量になり、「曲げ剛性」と呼ばれます。


<断面二次モーメント>

さて、I = ∫y^2 dA と唐突に置いてしまいましたが、
この I が「断面二次モーメント」です。

「距離×何か」をモーメントと言いましたが、
一般に「距離^n × 何か」を「n次モーメント」と呼びます。
つまり、「距離×何か」は 1次モーメント、
「距離^2 × 何か」は 2次モーメントです。

上記 I の場合は、「距離^2 × 断面の微小面積 dA」
になっていますので、断面二次モーメントというわけです。
積分記号がなんだか重々しいですが、単にたくさん足し上げているだけです。

断面二次モーメントが便利なのは、
材質によらず、断面の形状と寸法が分かれば、簡単に計算できてしまうことです。



これで、今回の目標である
「曲げモーメント」、「断面二次モーメント」、「曲げ剛性」
についてご紹介致しました。

次回は、「たわみ曲線の基本式」辺りをご紹介致します。


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高野智暢

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