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2022.06.01

B-0110. 「キャリブレーション」を分かりやすく — A.T

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「キャリブレーション」を分かりやすく

発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/

連載「高鍋鮎美の三次元測定機って何なの??」
2022年6月1日号 VOL.110

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 
X線CTによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
無料にてメールマガジンを配信いたしております。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 *** 最初にお断りしておくと、
 *** ここで言う「キャリブレーション」や「校正」は、
 *** 最新の JIS の定義に沿っていません。
 *** ただ、「目盛定め」=「calibration」としている
 *** 30年前の JIS には反しておらず、昔からの用法です。
 *** 本来であれば、ここで言う「キャリブレーション」は「調整」です。
 *** まだまだ世の中には「誤差を求めて補正することが校正」と
 *** 明記している専門書も多く、厳密な用法への過渡期なのかもしれません。
 *** 今後、機会があれば、厳密な「校正」と「調整」の違いもご紹介します。


こんにちは。営業の高鍋鮎美です。


今回は「キャリブレーション(calibration)」について、
分かりやすくご紹介したいと思います。


よくお客様に測定機のご紹介をしていると、

弊社が扱うTropelやWerthの装置は、
「キャリブレーションをしなければならないので手間で面倒くさい」
という印象を持たれる事があります。

確かに毎日の運用を考えると、手間と感じるのは分かります。

しかし、わざわざその手間を掛けるには意味があるので、
その点をお伝えしたいなと思います。


まず、測定機を扱っているとよく出てくる「キャリブレーション」ですが、
その意味は「校正」です。

「校正」が何かと言うと、
その測定機が出す値がより正しくなるように、基準となる原器を使って、
調整する作業の事です。


この一文でポイントは2つありまして、

1つ目が、「より正しく」という表現です。

どんな装置でも手順さえ間違えなければ、何かしら測定値は出ます。

しかし測定機が出す値は必ず不確かさ(uncertainty)を持つので、
出力された値が、誤差ゼロで完璧に正しい事はありません。

測定される製品のスペックや公差に対して、
測定機の精度が十分余裕があれば、
多少の誤差は気にならないと思いますが、

ギリギリの場合は、少しの誤差でも製品の合否に影響するので、
出来るだけ誤差は小さくしたいはずです。


その為に行うのが「キャリブレーション」です。


Tropelの装置もWerthの装置も
それぞれの分野で世界最高レベルの精度を強みにしている機種が多いので、

測定対象もスペックが厳しい製品が多く、
より正確に測定する為に「キャリブレーション」を推奨しています。
(校正しないと測定が出来ない訳ではないです!)



また、2つ目のポイントとしては「基準となる原器」を使う点です。

装置の誤差を校正する為には、その合わせる元となる原器は
信頼性が高くなくてはいけません。

そこで、TropelもWerthも専用の校正原器を作り、装置に付属しています。

例えばTropelであれば、平面度の校正原器として、
低膨張ガラスに数μmの深さの窪みを加工したものを使っています。

窪みの深さは、NISTにトレーサブルがとれた専用の装置で測定し、
一つの校正原器につき、一つの認証値が付きます。


お客様には、この校正原器を用いて
装置をキャリブレーションして頂く事で、
NISTとトレーサブルが取れた状態の装置としてお使い頂けます。



このように、キャリブレーションはあくまでも推奨で、
お客様の製品と装置のスペックによって必要性も変わると思いますので、

「キャリブレーション」=「面倒くさい」と思わずに、
「あれば必要な時に出来るし安心だな」と受け取って頂けたらと思います!



今週も最後までお読み頂きありがとうございました。


--
A.T

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