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2019.03.13

A-0092. 量子コンピュータを使ってみました — T.T

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量子コンピュータを使ってみました

発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/

連載「X線CTで高精度寸法測定!?」
2019年3月13日号 VOL.092

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
無料にてメールマガジンを配信いたしております。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



最近は、楽しいオモチャが目の前にあり過ぎて困っています。

先週末から TomoScope XS デモ機が使えるようになったので、
早速いくつかスキャンしてみました。

感想は... 使いやすい!早い!分解能が高くて画質がきれい!

少し触っただけで、いろいろ気付いてしまったので、
ノートに情報や今後やりたいことをたくさん列記しました。

営業からもたくさん仕事のリストが降ってきました。

TomoScope XS の高い将来性を感じましたし、
TomoScope シリーズ全般についても
今後のアプリケーション開発の希望を感じました。


今回は、目の前のオモチャの話です。
1つ目は、上述の TomoScope XS です。

2つ目は、本当の玩具で、ミニ四駆です。
毎月大会があるので、子供のマシンを調整して出場させます。

ライバルの小学生達は強い。
しかも、いい大人たちが後ろに控えていて、結構コストをかけている。

最初は全然勝てなかったのが、
だんだんと入賞できるレベルになり、
(その大会で)優勝を狙えるようになりました。
年末の大会では、参加人数の多さにも関わらず、優勝できました。

コースが毎回変わるので、その場でカスタマイズし直す必要があります。
先月は、優勝するつもりでカスタマイズしていったのに、
コースがトリッキーで、前の夜に時間を掛けた調整を
短時間に丸ごとやり直しになり、ギリギリ3位入賞でした。(接戦でした。)

小学生達は自分で考えて(集中力もすごい)、
結構時間をかけてノウハウ蓄積しているし、
そのパトロンの親達は、お金もあるし(結構いいパーツと工具揃えている)、
見るからに機械いじりが好きそうな強豪揃いです。

玩具と言えども、
シャーシの剛性やマシンの重心を考え、
シャフトの真直度やベアリングの調整、各パーツの摩擦、変形、角度、配置
など、結構考えることがあります。

本当に、ノギスでは限界なので、
社内の TomoScope を使いたいです!
見たい部分や計測したい箇所が満載です。


3つ目は、LISP です。
もう Python とかどうでもよくなる位、楽しいです。

Python は、ライブラリが充実しているので、
新しいライブラリを試してみて、
あんなことに使えそうだ、こんなことに使えそうだ
と思いを巡らせるのは楽しいですが、

LISPで書いたらどうなるかなと思ってしまうと
LISPで書くのが楽しくて、そちらに流れてしまいます。

しかも、実際に使えそうな良いアイデアが思い付いたら、
結局のところ慣れた C++ で実行ファイル(.exe)を作ってしまいます。


4つ目は、TensorFlow です。
今は、実用的な何かを作るというよりは、
脳の仕組みに近づいてきているものに触れている感覚が楽しいです。

最近は、CPUでの計算に限界を感じてきているので、
GPUを使った計算に挑戦したいと思っているところです。


そして、5つ目は、量子コンピュータです。
IBM Q を使い始めました。
これは非常に楽しいです。

TensorFlow とかを使って、ディープラーニングで遊ぼうと思うと、
何をして遊ぼうかと考える必要があります。
人工知能に何を処理させるかを考えるのは楽しいですが、
実行するには処理させるデータを準備しなくてはなりません。

でも、量子コンピュータは、それを触っていること自体が楽しいです。
まるで、Intel CPU とアセンブラでお話ししていた頃を思い出します。

量子コンピュータに計算させるときは、QASM というコードを作ります。

    include "qelib1.inc";
    qreg q[5];
    creg c[5];

    h q[3];
    h q[4];
    measure q[4] -> c[4];

このようなコードを作り、
アメリカに置いてある量子コンピュータに送信して、
結果を待ちます。

すると、想定通りの結果:
|00000> が 0.505 と |10000> が 0.495
というもの(量子ビットの確率)が返って来ました。

想定通りに動くことが分かると、
いろいろ試したくなり、いろいろコードを送信して、結果を待ちます。
(待ち時間は、クラウドの込み具合によりますが、数分で結果が届きます。)

学生時代、量子コンピュータによるショアのアルゴリズムを勉強して、
本がまだ本棚に眠っています。
(大昔の理論と思いきや、今見直すとそんなに古くなく、1994年の理論。)

学生の頃は量子論をやってきて、
この会社に入って干渉計を扱って、
どちらも干渉という現象がキーになります。

そして今、量子コンピュータに手が届くようになった時代
というのは、驚きです。

正直なところ、量子アニーリングによる量子コンピュータの実機が
世の中に登場した時(2011年)には、そこまで感動はありませんでした。
(きっと、自分が使える場所に居ないから。)

でも、夜に家に帰ってから簡単に量子コンピュータ(しかも量子ゲート方式)と
お話しできる感動は、なかなか筆舌に尽くし難いものです。


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高野智暢

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