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2018.04.25

A-0080. 関数の考え方 — TT

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関数の考え方

発行:エスオーエル株式会社
http://www.sol-j.co.jp/

連載「X線CTで高精度寸法測定!?」
2018年4月25日号 VOL.080

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
無料にてメールマガジンを配信いたしております。

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技術の仕事は全て関数の考え方に基づいている
と言っても過言ではありません。

意識していない事柄でも、
よく分析すると関数になっているものが数多くあります。

現代の教育を受けた人であれば、
関数という言葉を聞いたことはあると思いますし、
普段から使っている人は、関数というもののイメージがあると思います。

一度理解してしまうと、常識だと思えてしまいますが、
人類が関数の考え方を手に入れた歴史は結構浅いのです。

調べてみると、ライプニッツという人が1670年代から使い始めたとあります。
その後、18世紀にベルヌーイやオイラーといった数学者によって、
関数の考え方がよく使われるようになり、
19世紀のコーシーやディリクレによって関数の概念の基礎が出来上がります。
つまり、400年前の人々は関数を知らなかったということです。

出来上がったものを学ぶのは比較的簡単ですが、
関数という概念は誰でも思い付くほど簡単ではないということです。

関数を普段から使っている人でも、
関数の定義を正確に述べるのは難しいという人は多いかもしれません。

定義はどの抽象度で考えるかによって変わってきますし、
関数のイメージを言葉に直そうとすると案外正確に言えないこともあります。

ここでは、定義を書くことはしないで、
興味がある人は自分で調べてもらうことにして、
関数の例や関数ではないものの例を挙げてみます。


その前に、関数の話をするときに避けて通れないのが、
「変数」の考え方です。

例えば、様々な実数値を取り得る文字 x を変数と呼びます。
また、文字 y も様々な実数値を取り得るとします。
ここで、x を決めるとそれに対応して y が決まる関係があるときに、
その関係を f などと書いて、関数と呼びます。

式で書くと、y = f(x) という今ではお馴染みの書き方です。

関数は、x を入力すると y という出力が返ってくるもの
と考えても良いです。

比例は、関数の分かりやすい例であり、頻繁に登場します。
0ではない定数 k を使うと、y = kx のように書けます。

一次関数もよく出てくる関数の例で、a と b を定数として、
y = ax + b のように書きます。


実数を入力して、実数が出力される関数は「実関数」、
複素数を入力して、複素数が出力される関数は「複素関数」
と呼ばれます。

ベクトルを入力するとベクトルが出力される関数もあります。
電場は、座標のベクトルを指定すると、ベクトルが決まる関数になっています。

ベクトルと入力すると実数値が出力される関数としては、
部屋の温度分布が例になります。
座標のベクトルを指定すると、温度の実数値が決まる関数です。


関数ではない例を考えてみると、
あるときは x に 3 を入力すると y として 5 が出力されたのに、
次に x に 3 を入力すると y として 2 が出力された
というものがあります。

もっとひどい例を考えてみると、
4 という実数を入力すると 7 という実数が出力されるのに、
6 を入力するとベクトルが出力されて、
8 を入力すると「あ」というひらがなが出力されるという場合も
関数になりません。


でも関数ではない例を何らかの形で数学的に定式化すれば、
新しい概念に到達するかもしれません。

例えば、20世紀の物理学者ディラックが使い始めた
デルタ関数というものがあります。

デルタ関数は、
x=0 以外では、どんな入力に対しても 0 が出力されるのに、
x=0 では、値が無限大です。
しかも、全てのxについて積分すると、1 という値になります。

これは関数ではありませんが、
シュワルツという人が見事に「超関数」という新しい数学の概念に
まとめ上げました。


また、汎関数と呼ばれるものもあり、関数を入力すると実数値が出力されます。
普通の感覚からすると、関数とは呼びにくいものかと思いますが、
数学的に定式化されたもので、物理学ではよく出てきます。


関数とは結局何だったかというと、
人間が物事を理解するやり方を客観的に抽象化したもの
と見ることができます。


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高野智暢

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