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2014.02.10

A-0033. 幾何公差(vol.005):付加記号 — TT

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幾何公差(vol.005):付加記号

発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/

連載「X線CTで高精度寸法測定!?」
2014年2月10日号 VOL.033

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
無料にてメールマガジンを配信いたしております。

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最近、小さな息子が全身に力を込めて「ディーー」と叫びます。
どういう意味かは分かりません。


さて、ここまで4回にわたり、幾何公差についてご紹介してきました。
5回目の今回は、幾何公差で出てくる付加記号について、ざっとご紹介致します。

データム指示に、三角形の記号が使われるということには触れました。
理論的に正確な寸法を表示するには、長方形の枠で数字を囲むというのも書きました。
最大実体公差方式を表すには、Mを○で囲んだ記号というのもお伝えしました。

その他にはどんな記号が使われているでしょうか。


まず、どんな幾何公差なのかという幾何特性を表す記号があります。
1回目でご紹介した14種類の幾何特性には、それぞれ記号が割り当てられています。
真直度なら横棒、平面度なら菱形、真円度なら○、平行度は//、位置度は○に十字、
同軸度なら◎ という具合です。


幾何公差において、幾何特性以外に細かい指示を加えるものが、
付加記号と呼ばれるものです。

データム指示、理論的に正確な寸法、最大実体公差方式 の他に、
どんな付加記号があるでしょうか。


幾何公差を適用する箇所がどこかを指示する記号があります。
「公差付き形体指示」と呼ばれるものです。
矢印でその形体を指し示すのですが、JISの記述をそのまま引用してみます。

「公差付き形体は、公差記入枠の右側又は左側から引き出した指示線によって、
次の方式で公差付き形体に結び付けて示す。」

「線又は表面自身に公差を指示する場合には、
形体の外形線上又は外形線の延長上(寸法線の位置と明確に離す)。
指示線の矢は、実際の表面に点を付けて引き出した引出線上に当ててもよい。」

「寸法を指示した形体の軸線又は中心平面若しくは一点に公差を指示する場合には、
寸法線の延長線上が指示線になるように指示する。」

なるほど、正確を期した表現を使うと、少し分かりにくく感じます。
でも、分かってしまうと、大して難しいことは言っていません。

大したことは言っていなくても、重要な基礎なので、
解説本などを見ると、結構言葉や図を尽くして説明されています。


次に「データムターゲット」を表す付加記号をご紹介します。
どんな記号なのかをJISの表現を引用すると、

「データムターゲットは、横線で二つに区切った円形の枠によって図示する。」

と書いてあります。
この記入枠の下段には、データムを指示する文字記号と番号を記入します。
上段には、大きさなどの補足事項を記入します。

で、データムターゲットとは何ぞやですが、
「データムを設定するために、加工、測定及び検査用の装置、器具などに
接触させる対象物上の点、線又は限定した領域。」
であるとJISは言っています。


ざっとご紹介するつもりが、長くなってきたので、予定を変更して、
個別の細かい解説は別の機会にすることにして、
他にどんな付加記号があるかを簡単に書きます。


突出公差域というものを表すには、Pを○で囲んだ記号を使います。

最小実体公差を表すには、Lを○で囲んだ記号を使います。

自由状態を表すには、Fを○で囲んだ記号を使います。

包絡の条件を表すには、Eを○で囲んだ記号を使います。

共通公差域を表すには、CZを使います。

全周という記号もあります。


幾何公差のお話は、今回で一区切りにしようと思いましたが、
まだまだ書くことがありそうです。


--
高野智暢


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