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2022.08.24

E-0127. Werth装置における測定範囲の容積率 — E.C

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Werth装置における測定範囲の容積率

発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/

連載「測定の新常識!?SOLがお伝えするノウハウ!」
2022年8月24日号 VOL.127

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
X線CTによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
無料にてメールマガジンを配信いたしております。

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皆さん、こんにちは。
営業技術の張です。

いつの間にか、この会社に6年弱も勤めていました。。

エンジニアとして、知識と経験を積みながら、
大切な工具も少しずつ追加され、
工具箱もパンパンな状態になっています。

たまに整理してみようとして、何かを外に出すのですが、
もしかすると、これもいつかトラブル対応に必要かもしれない
と思い、元に戻してしまいます。

エンジニアとしては、作業の効率を上げる為に、
小さい工具箱にできるだけ多くの工具を入れて、
どんなトラブルにも対応できるように準備したいのです。

なので、いつもドラえもんのポケットが羨ましいです。
小さいポケットに必要なモノが全部収納できます。


この、小さい体積の工具箱でより多くの工具を収納する能力は、
工具箱の容積率だと考えて、数値化できます。

  工具箱の容積率 = 工具の体積の和 / 工具箱の体積


これは不動産の容積率に似ています。

  不動産の容積率[%] = 100× 延床面積 / 敷地面積

敷地面積が一定の場合、
延床面積が大きい方が部屋が広く、ゆったりできます。


工具箱の容積率が高いと、持ち運びに便利なサイズの工具箱で、
想定外のトラブルにも対応できる多くの工具を入れることができ、
作業効率を上げられます。


さて、本題に入ります。
今回は、Werth社装置の測定範囲の容積率
についてお話したいと思います。

測定範囲の容積率は
装置のサイズに対する測定容積の割合のことです。

  測定範囲容積率 = 測定容積 / 装置サイズ

既に海外では、これを重視する装置選定ポイントの一つとして、
比較されることが増えています。

人口密度が高い日本では、このポイントの重要度は、
より高いのではないかと考えます。
工場の生産性向上や省エネのために、
設備のダウンサイジングに取り組んでいる企業も多いです。


もちろんコンパクト且つ大きいサンプルを測定できる測定機が
一番理想ですが、使用目的により制約があるため、
簡単に比較ができません。

これから三次元測定機とX線CTの容積率の違いについて
少しお話します。


三次元測定機の場合、例えば VideoCheck の場合、
装置サイズが 1274×1300×1940 mm^3 で、
測定範囲が 400×400×200 mm^3 で、
測定範囲の最大容積率は 9.96×10^-3 になります。

但し、より複雑な寸法測定したい場合、
回転軸の追加や、より多くのセンサー
(カメラ、スキャンニングプローブ、ファイバープローブ など)
を搭載することが基本です。

このように回転軸やセンサーを追加すると、
測定範囲が小さくなります。

例えば、回転軸を追加すると、Y軸が 150mm が短くなり、
測定範囲が 400×250×200 mm^3 になります。
すると、測定範囲の容積率は 6.22×10^-3 になります。

実際に三次元測定機を選定する場合、殆ど専用のプロジェクトになり、
容積率よりはセンサーの種類、測定サイズ、スピードと測定精度が
プロジェクトに合うかどうかが重視されます。


CT装置の場合、もうちょっとシンプルになります。
測定範囲は、検出器により変わります。

例えば TomoScopeXS の場合は、
装置サイズが 1300×1370×674 mm^3 で、
最大測定範囲が円柱の D 277 mm × L 149 mm で、
装置の最大容積率は 7.48×10^-3 になります。

TomoScopeXS PLUS の場合、
装置サイズが 1515×830×1485 mm^3 で、
最大測定範囲が円柱の D 289 mm × L 456 mm で、
装置の最大容積率は 16.02×10^-3 になります。

三次元測定機と比べて同じレベルですが、
寸法測定のCT業界では、かなりよい数値になっています。

CT装置を選ぶ場合、様々なサンプルを測定したい為、
電圧、スキャン時間、測定精度も重要ですが、
測定範囲の容積率も考慮されます。


今回はこの数字の良し悪しではなく、
このような計算方法があることを知って頂ければ良いです。
装置の選定に少しでもお役に立てば幸いです。

それでは、今日はこの辺で。
最後までお付き合い頂き、有難う御座いました。


--
張

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