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2022.07.20

D-0184. FlatMasterシリーズのTTV測定について — E.N

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FlatMasterシリーズのTTV測定について

発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/

連載「知って得する干渉計測定技術!」
2022年7月20日号 VOL.184

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
干渉計による精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
無料にてメールマガジンを配信いたしております。

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☆過去のメールマガジン全てのタイトルを一覧表示できるようにしました。
  https://www.sol-j.co.jp/mailmag/list/


こんにちは。
暑い日が続きますが、体調いかがでしょうか。

私の娘は、7月生まれでこの間 2歳になりました。
汗びっしょりになりながらも、いつも一生懸命遊んでいます。
保育園の帰りは2人で歩いて帰宅します。
どうやら最近は小石が気になるようで、
しゃがみこんで触ってみたり、投げてみたり、食べてみたり・・・(笑)

そんな姿を見て、微笑ましく思う
というのは嘘で、暑さのせいで、イライラしております。



今回は、今までメルマガに書いてこなかったことが不思議な
『FlatMasterシリーズのTTV測定について』です。
装置をお持ちのお客様からも良くご質問をいただきます。

まず、該当機種や、TTVの定義をご紹介します。

該当機種は以下の通りです:

  ・FlatMaster-Wafer仕様
  ・FlatMaster-SemiAutoWafer
  ・UltraSort-II


TTVは『Total Thickness Variation』の略で、
日本語では『厚みムラ』と訳され、
ウェーハの1番厚いところと、1番薄いところの厚さの差を指します。

FlatMasterシリーズでは以下の図の内容が、TTVの定義となります。
ウェーハの裏面を平坦なチャックに全面吸着させると、
裏面が平らに矯正され、表面側に裏面の形状がプラスされます。
これにより、図の A = TTV (ウェーハの厚みムラ) です。



次に、FlatMasterシリーズのTTV測定の概要をご説明します。

残念ながら、ウェーハの厚みを直接的に測定して、
1番厚い個所と1番薄い個所を比較することによる
TTV(厚みムラ)を解析する事はできません。

原理上、装置参照面とウェーハ表面の間の
空気層の厚みムラの測定をすることしかできません。
つまり、直接 A を測定する事ができないということです。

できない、できない、できない という言葉を並べてしまいましたが、
FlatMaster シリーズは TTV を解析することが できます!


以下が、TTV (上図の A) を解析する手順です。

  [P1] 平面度の良い(裏面全面吸着)チャックにて、
     ウェーハの裏面全面を真空吸着し、平らに矯正します。

  [P2] 参照面(プリズム面)とウェーハ表面の
     空気層の厚みムラを測定します。

  [P3] 測定した空気層の厚みムラには、
     チャックの傾きによるテーパ成分も含んでしまっています。
     そのため、 チャックのテーパ成分を別で算出しておき、
     測定した空気層の厚みムラからチャック傾きの影響を差っ引きます。

     ※ チャックのテーパ成分を算出する過程を
      Back Reference Calibration と呼びます。詳細を後述します。

  [P4] そして、空気層の厚みムラに (-1) を掛けます。
     これで、各点の数値の大小関係が逆転し、
     空気層の厚いところがウェーハの薄いところに対応します。
     (Vice versa.)

  [P5] 最後に、最高点の値から最低点の値を引くと、TTV です。



続いて、上記 [P3] で出てきた、チャックのテーパ成分を算出するための
Back Reference Calibration についてご説明します。

「Calibration」と呼んでいますが、テーパ成分を算出するだけでなく、
その値を記憶し、出力値から常に差し引かれるように「調整」まで行います。

ウェーハの本測定の前には、Back Reference Calibration を行い、
チャックのテーパを算出しておきます。

チャックのテーパの算出方法は、以下の通りです。

  [C1] 同一ウェーハを0度、180度それぞれで測定し、
     下図の (tx1 - tx2)  { = 0度時の空気層の Xtilt(0°) } と
     (tx'1 - tx'2)  { = 180度時の空気層の Xtilt(180°) }
     を解析します。

     ※ tx1、tx2、tx'1、tx'2 は測定不可ですが、
      (tx1 - tx2)、(tx'1 - tx'2) は測定可です。

  [C2] 0度、180度測定に使用するのは、同一のウェーハなので、下図より、

      (Tx1 - tx1) = (Tx2 - tx'2)    --- (eq1)
      (Tx2 - tx2) = (Tx1 - tx'1)    --- (eq2)

     となり、(eq1) - (eq2) をして整理すると、

      (Tx1 - Tx2) = { (tx1 - tx2) + (tx'1 - tx'2) }/2

     です。
     ここで、(Tx1 - Tx2) はチャックのX方向のテーパ成分なので、

      X Chuck Tilt = { Xtilt(0°) + Xtilt(180°) }/2

     と算出できます。

  [C3] Y方向のテーパ成分 Y Chuck Tilt も同様に算出できます。



このようにして、FlatMaster シリーズでは TTV の解析を行っています。

TTV 解析では実際にはウェーハの厚みを測定していないのです。
(厚み測定が必要な場合は、別途オプション機能が御座います。)

厚みは測定していないのに、厚みのムラだけは解析出来る!
なんとも不思議な感じがします。

以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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E.N

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