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2021.11.17
D-0176. UltraSort-II 及び SemiAutoWafer の厚み測定 1/2 — E.N
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UltraSort-II 及び SemiAutoWafer の厚み測定 1/2
発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/
連載「知って得する干渉計測定技術!」
2021年11月17日号 VOL.176
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
干渉計による精密測定やアプリケーション例などをテーマに、
無料にてメールマガジンとして配信いたします。
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こんにちは。
冒頭に、少しだけ子育て日記にお付き合い下さい。
前回、娘の喃語について書きましたが、
ついに『ママ』と言ってくれるようになりました。
『ママ』と言われると嬉しくて、全てを許してしまいます。
『ねんね』、『わんわん』、『にゃんにゃん』も覚えました。
『うん』と返事をしたり、『いやっ』と意思表示もするようになりました。
『いないいないばぁ』の『ばぁ』部分も言えるようになり、
人間らしくなってきてとても楽しいです。
母からは以上です。
今回は、UltraSort-II (以下US) や SemiAutoWafer (以下SAW) の
Thickness測定について、説明したいと思います。
長くなるので、2回分のメルマガで説明しようと思います。
一気に読みたい方がいらっしゃいましたら、
年をまたいでしまいますが、次回2022/1/19までお待ちください。
最近ありがたいことにUSのお問い合わせを多くいただいております。
USのメインの測定項目はウェーハの平面度、厚みムラ等です。
これらの測定項目は、位相差解析という手法で解析しております。
一方で、Thickness測定は、平面度、厚みムラと同時に測定出来ますが、
解析手法が異なります。
入射角度を微小に変更しフリンジスキャンを行っているUSでは、
干渉縞のフリンジスキャンスピードは参照面(プリズム)と
測定面の距離(=空気層の厚み)に比例します。
USは直接Waferの厚みを測定する事は出来ませんが、
[1] 参照面からWafer裏面(=チャック表面)までの距離と、
[2]参照面からWafer表面までの距離が分かれば、
これを引き算して、Thicknessを計算出来ます。
以下にThickness測定の流れを細かくご説明します。
【Thickness測定の流れ】
[1] 参照面からWafer裏面までの距離を把握する。
測定時、Wafer裏面と参照面の距離は、
測定ウェーハの厚み+ウェーハと参照面の距離となります。
Wafer裏面の位置は、
入力されたNominal Thickness(以下NS)、Nominal Gap(以下NG)に従い、
決まります。
チャックの位置を動かしているのは3本のアクチュエータです。
NT+NGを目標にしても、ピッタリNT+NGとはなりませんので、
実際に測定してみる必要があります。
しかし、ここで問題があります。
チャック表面をNT+NGの位置で測定する事は、ほとんどの場合不可能です。
例えば、NT=650um、NG=200umとすると、
プリズムからチャック表面までの距離は950umです。
950um離れていると、斜入射干渉計のため、干渉縞は薄くなりますし、
横ずれを起こしてカメラからフレームアウトしてしまいます。
そのため代わりに以下を行います。
まず、キャリブレーションデバイスとプリズムまでの距離=NGの位置で、
距離を測定します。
次にNG+40um、NG+80um、NG+120umの位置で、各距離を測定します。
これらから、キャリブレーションデバイスと
プリズムまでの距離と位置との線形関係が求まりますので、
NG+NTの位置での距離を計算できます。
これは、USでThicknessキャリブレーションと呼ばれているのもです。
実際には、Thicknessの校正というより、
アクチュエータ位置のゲインとオフセットの校正をしていることになります。
ウェーハ裏面とプリズムの距離
= チャック表面とプリズムの距離
≠ キャリブレーションデバイスとプリズムの距離
なので、上で求めた、キャリブレーションデバイスとプリズムの距離から、
ウェーハ裏面とプリズムの距離を求める必要がありまます。
これは、キャリブレーションデバイス表面とチャック表面が
どのくらいズレているかが分かれば良いことになります。
チャック表面も、距離=NGの位置で測定し、ずれ量をオフセットさせれば、
ウェーハ裏面とプリズムの距離が計算出来ます。
この計算はChuck Reference キャリブレーションという、
干渉計とチャック面のエラーを校正(補正データを作る)する際に
ついでに行われます。
[2] 参照面からWafer表面までの距離を求める。
[3] Wafer厚みを計算する。
Wafer厚み=『参照面からWafer裏面までの距離』-『参照面からWafer表面までの距離』
ですので、[1]と[2]の結果からWafer厚みが計算出来ます。
では、そもそも空気層の厚みをどのように測定しているのか、
の部分の説明をしたいのですが、長くなりますので、今回はここまでです。
続きは1/19分のメルマガになります。
ということですので、皆様今年は大変お世話になりました。
寒くなってきましたが、お体にお気をつけて、よい年末、新年をお迎えください。
--
E.N

