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2018.05.23
D-0141. FlatMasterの2種類のTTV測定 — EN
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FlatMasterの2種類のTTV測定
発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/
連載「知って得する干渉計測定技術!」
2018年5月23日号 VOL.141
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
無料にてメールマガジンを配信いたしております。
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お久しぶりです。営業技術の野中です。
ご存知の方は少ないかと思いますが、
約1年前まで第5週目のメルマガを担当しておりました。
いろいろな事情があり、
奇数月の第4週目を担当することになりました。
またお付き合いのほど、よろしくお願いします。
私はCorning Tropel社の装置を担当していますので
奇数月の第4週ではCorning Tropel社の製品の
関連事項をご紹介していこうと思います。
今回は平面度測定機「FlatMasterの2種類のTTV測定」
についてご紹介します。
まず、TTVとは ”Total Thickness Variation”のことで
日本語ではウェーハ全面の厚みムラです。
FlatMasterでは下記の2パターンの測定方法が考えられます。
(1)全面吸着チャックを使用し測定する方法
(2)透明なウェーハに限りますが、
2次フリンジと呼んでいる干渉縞を解析する方法(FFT解析を利用)
です。
それぞれを簡単に説明しますと、
(1)全面吸着チャックを使用し測定する方法:
ウェーハの裏面を非常にフラット(TIR=0.15μm以下)なチャックに
全面吸着し、裏面をフラットに矯正します。
そうすると、裏面の形状は表面(測定面)に浮き上がります。
この状態で表面を解析すると、ウェーハの厚みムラが分かるという方法です。
(2)2次フリンジを解析する方法(FFT解析を利用):
透明なウェーハの場合、通常観測される干渉縞の他に
表面からの反射と裏面からの反射による
干渉縞(2次フリンジと呼ぶ)が観測できます。
この干渉縞を解析することで、厚みムラが分かるという方法です。
なぜこの話をご紹介しているかというと、ゴミ(パーティクル)が関係してきます。
(1)の方法は、「裏面の形状が表面に浮き上がる」と書きました。
つまりウェーハの裏面とチャック面の間にゴミがある時には、
ゴミの分も一緒に浮き上がります。
もちろん、ウェーハ裏面とチャックの間にゴミが無ければ問題にならないですし、
例えばTTVが10μmであれば、小さなゴミ(1、2μm)はTTVの値に影響しません。
しかし、例えばTTVが1μmの場合は問題となります。
(2)の方法では、表面からの反射も裏面からの反射も
ゴミにより浮き上がった状態を解析します。
そのため、相殺されてゴミの影響は測定結果に表れないのです。
このような理由から、「TTVの良い透明なウェーハ」にはとても適していると思います。
設置環境によってはゴミの影響を気にされるお客様もいらっしゃると思います。
透明品に限りますが、(2)のTTV測定(FFT解析を利用)はその悩みを解決出来ます。
◎FFT解析に関しては、下記のメルマガのバックナンバーにも説明があります。
ご興味のある方は、ぜひご覧ください。
d-0009. FFT解析による二次フリンジ分離 -- T.T
d-0060. FFT解析による二次フリンジ分離 リベンジ -- T.T
a-0043. 高速フーリエ変換(FFT)の原理 -- T.T
最後までご覧いただきありがとうございました。
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E.N

