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2016.08.31
D-0115. MSPのダイナミックレンジと測定分解能 — EN
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MSPのダイナミックレンジと測定分解能
発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/
連載「知って得する干渉計測定技術!」
2016年8月31日号 VOL.115
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
干渉計による精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
無料にてメールマガジンを配信いたしております。
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こんにちは。
5週目担当です。
6月にメルマガを書いたばかりでしたので、安心しきっていたら、
なんと8月にも5週目があったとは....
ぎりぎりになって、焦って書いております。汗汗))
今回は、FlatMaster MSP(以下MSP)という干渉計について
書きたいと思います。
MSPは、平面度、平行度、高さ(深さ)、
透明品であれば厚みも測定出来るマルチな装置です。
また、測定分解能は0.01um、データ点数は最大約78万点です。
高さに関しては、
MSP150という機種でなんと60mmまで測定出来ます。
分解能の6,000,000倍の高さを測定出来るということになります!!!
私も初めて計算してビックリしました......
小学2年生が知っている最大の数字ではないでしょうか!!!?
小学2年生といえば、全速力で友達の周りをグルグル走り回って、
「俺の動きが早すぎて止まって見えるだろ?」なんて言いますよね?
または、高速で右回転しているものが、
ゆっくり左回転しているように見えることはありませんか??
どちらもそう見えるだけで、
実際には早いものは早いし、右回転のものは右回転なはずです。
もし、小学2年生のA君がB君に向かって立っているとします。
そして、B君が瞬きをして、再び目を開けたとき、
A君は変わらずB君に向かって立っています。
瞬きの間にA君が高速で100回転していたとしても、
1回転しかしていないとしても、或いは0回転でも
B君には、A君が止まっているようにしか見えません。
また、B君が瞬きをして目を開けると、
A君は先ほどより20°右に回転していました。
しかし、この間にA君は○○回と20°右回転していたかもしれないし、
~~回と340°左回転していたのかもしれません。
B君にはA君が実際よりも
ゆっくり回転しているように見えたかもしれないのです。
ただし、半回転(180°)単位で何回(半)回転したかA君に聞けば、
後は分度器を持ってきて残り何度分回転したかを測ることで、
持ってきた分度器の分解能で回転数(角度)を測定できます。
MSPは、これと同じ現象を利用することで、
0.01umという高分解能で最大60㎜の高さを測定することが出来ます。
MSPでは、レーザーの波長を約0.1nmずつ変えています。
すると、干渉縞は明るい、暗いを繰り返します。
ここでは、この繰り返しを明暗サイクルと呼びます。
明暗サイクルの速さは、測定する高さに比例します。
その為、明暗サイクルの速さを解析することで、
測定高さを求めることが出来ます。
しかし、レーザー波長を0.1nm変えたときに、
ちょうど1回明暗サイクルする高さと、
ちょうど2回明暗サイクルする高さは、
装置にとっては同じ高さにしか見えないはずです。
そこで、A君に何回転したか聞く代わりに、
2.1mm単位でだいたいの高さを装置に教えてあげることで、
0.01umという高分解能で、
最大60㎜の高さを測定することが出来るのです!!
今月もお読みいただき、ありがとうございました。
「ダイナミックレンジも、測定分解能も譲れない!」
というお客様がいらっしゃいましたら、ぜひお問合せ下さい!!!!
--
野中

