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2024.02.14

A-0153. 相空間のお話— T.T

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相空間のお話

発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/

連載「X線CTで高精度寸法測定!?」
2024年2月14日号 VOL.153

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
X線CTによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
無料にてメールマガジンを配信いたしております。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



大きな学問体系の一部を理解したり、誰かに説明するときは、
スナップショットを撮るような感覚があります。

フォーカスしたい部分を定めて、画角(視野)を決めて、
全体から一部を切り抜きます。

切り抜き方が下手だと、意味の分からないものになってしまうので、
できるだけ全体(視野から外すフレーム外の景色)を理解した上で、
狙いを定めます。


昔から好きな学問分野の一つに、多様体論があります。

何かを好きになるというのは幸運なことで、
好きになるともっと知りたくなるし、
知れば知るほど好きになります。

しかし、多様体論のどこが好きか、どの部分に感動を覚えるか
ということを伝えようとすると、途端に困難な作業になります。

理由はいろいろありますが、
スナップショットの切り取りが難しいのです。

もし同じ風景を見ている(多様体論を知っている)仲間同士で、
写真(感動した部分)を見せ合うのであれば、
通じるものがあります。
(共感できる人は非常に稀という事情もあります。)

でも、こんなにすごい風景の場所があるよ、と
全く知らない人に紹介するためのスナップショット(写真)を
撮るのは、とても難しいものです。


さて、多様体論に続く道の入り口として、
ハミルトン力学という分野があります。

これに関する記事のネタは無数にあります。

しかし、記事を書くのがことさら難しいのは、
どこか一部を切り取って摘出しようとすると、
つながった関連組織がごっそりと付いてくるので、
短い記事にまとまらないし、
フォーカス(感動ポイント)がボケてしまします。

一方で、無理やり関連組織(基礎、背景、関係、応用、発展など)
を切り離すと、切り取った部分(感動ポイント)が
魅力を失ってしまいます。


では、前置きで文字数を稼いだ後は、
今回、切り取り過ぎて中身が薄くなった本題です。

相空間(phase space)のアイデアは、
「力学的な状態を決定するために、座標と運動量を変数にしましょう」
ということです。

座標と運動量が決まれば、その力学的状態を一意に指定できる
というのが古典力学です。

それ以外が必要ないというのは、導き出すべき帰結ではなく、
観測(実験)から知られている事実です。


  通常は、ニュートン力学 → ラグランジュ力学 → ハミルトン力学
  の順番に理論を再構築していく流れです。

  そのため、ニュートンの運動方程式 m(d^2/dt^2)x = F が
  座標の取り方で方程式の形が変わるから不便だよねという話をして、

  ラグランジュの運動方程式にすると、便利になるよねと知って、

  でも、ラグランジュの運動方程式は二階微分方程式だから
  何かと使いにくいよねという話になって、

  二階微分方程式 を 一階微分方程式の連立方程式(ハミルトン方程式)
  にしたら、とっても便利になって、いろいろなモヤモヤがスッキリした
  という話の流れです。

  この話がとても長いし、面倒なのです。ですから、「割愛」します。


次に、変数が満たす方程式を用意します。

  dx/dt = ∂H/∂p  と  dp/dt = -∂H/∂x

これが ハミルトン方程式 です。
(時間を t、座標を x、運動量を p と書いています。)


ハミルトニアン H というものが出てきましたが、
全エネルギーのことです。
つまり、運動エネルギー T と ポテンシャルエネルギー V に対して、

  H = T + V

です。

話としては、これだけです。
細かいことは置いておいて、簡単だなと思ってもらえたら幸いです。


  普通の感覚(ニュートン力学)だと、
  物体の位置を決める座標があって、その微分が速度で、
  速度に質量を掛けると運動量になって、
  運動量を微分すると、力になって、
  それが 質量と加速度と力の関係 を表した運動方程式です
  ということでした。

  なので、座標と運動量を独立な変数だと思って、
  相空間という抽象的な概念の中で現象を考えるのは、
  少々高めのハードルがあります。


次回の原稿は書き終わっていて、この続きで、
調和振動子(物体とバネと壁をつないだときの振動現象)
について書きました。
(1つの原稿を2つに分離しました。)


--
高野智暢

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