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2021.07.14

A-0124. 測量学への興味 –T.T

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測量学への興味

発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/

連載「X線CTで高精度寸法測定!?」
2021年7月14日号 VOL.124

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
無料にてメールマガジンを配信いたしております。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



散歩中には、いろいろなことを感じ、考えます。

  ・五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)から受取る現在、
  ・過去や未来に関する思考、
  ・気になっていることに対する思索、
  ・感じたり考えたりしている脳の反応自体の観察。

相変わらず、脳は忙しく働こうとするようにできているものだなぁ
と思っているなぁと思います。


そして、何か高い建造物を見ながら歩いていると、
その目標物までの距離が気になります。


  話の脱線が得意技ですが、実は、鉄塔マニアです。
  どこへ行っても、必ず高圧送電塔や電波塔を見ます。

  自分自身、鉄塔を見るのが趣味とは思ってもいませんでした。
  小さい頃から鉄塔を見るのが好きだなとは思っていました。

  この会社に入って、しばらくして、
  鉄塔マニアの先輩がいることに気が付き、
  そこで、「鉄塔マニア」という言葉と
  自分がそれに当てはまるということに気付いてしまいました。

  変電所や碍子も大好きです。もちろん、発電所も。


さて、目標物の高さが不明でも、
目標物を見ながら歩くことで、目標物までの距離を
知ることはできないものだろうかと考えます。

早速計算してみます。

目標物の高さを x とし、
現時点での目標物までの距離を OA とします。
また、その時に目標物を見上げる角度を α とします。

次に、距離 AB だけ歩いて、目標物に近づいたとします。
その時、目標物までの残りの距離は OB です。
また、目標物を見上げる角度は β とします。

距離の関係は、

  OA = OB + AB

となっています。
そして、見上げる角度と距離の関係から、

  OA tanα = x
  OB tanβ = x

なので、x が消去できます。

  (OB + AB) tanα = OB tanβ

これを OB について解けば、

  OB = AB / {(tanβ / tanα) - 1}

となります。
これで、目標物の高さを知らなくても、
歩いた距離と角度を2回測るだけで、
目標物までの残りの距離が分かります!


こういう問題を考えるときのポイントは、
何が測定可能で、何を求めたいのかを明確にすること、
つまり Input と Output をはっきりさせてから考えることです。


  小学生の頃、初めて、ピラミッドの高さを測定する話を読んだときの
  感想は、何だか当たり前のことを言っているだけで、全然凄くないじゃん
  というものでした。

  しかし、しばらくして(たぶん1年以上後だったと思う)、
  ピラミッドの高さを直接測定するのは困難という事実に
  ある時ふと気付いて、ようやく驚いたのを覚えています。

  棒の長さと、棒の影の長さと、ピラミッドの影の長さは容易に測れるから、
  ピラミッドの高さが比例計算でできるというやつです。

  ピラミッドの高さを測りたいという問題意識がなければ、
  方法を聞いてもピンとこないものです。
  ピラミッドの高さ1回測ればよいものを、
  なぜ別のものを3回も測って計算で求めるのが凄いのだろうか
  などと思ってしまうのです。

  実は、同じような盲点に陥っていることに気が付かないことは多いのです。
  気付いたときに、ようやく気付いていなかったことに気付きます。


普段から、こんなことを考えながら、
歩いたり、呼吸したりしながら生きています。


そんな時に、タイミングよく見かけることがあるのが、
測量士の作業です。

道端で測量作業している人や機材を見ると、
とても興味があります。


  ドイツで、10年以上付き合いのある CMM(三次元座標測定機)の
  エンジニアが、業務外学習の一環で測量学を学んでいるという
  話を聞きました。

  こういうのもタイミング良く、何かに導かれているように重なります。

  CMM に測定物をセットして、測定戦略(手順や方法)を考えるときに、
  確かに測量学の知識は役に立つはずです。


さて、見上げる角度を測定する必要が出てきたので、
四分儀が欲しくなります。

でも、昔の人が使っている絵はよく見かけますが、
実際にどこで買えばよいのか分かりません。

そこで、自作しました。(材料を集めて、5分で完成。)

測定できる距離で、使ってみると、13度。
実測距離からの理論計算では、12.7度。結構良い精度?

実際にやってみると、こんな簡単な工作から始まって、
間違いなく、延々と時間を費やすことができます。

精度の考察と工作物のバージョンアップは楽しい趣味です。

興味があることが多すぎて、時間がいくらあっても足りないですが、
この人生でやるべきことは、何かの強制力が働いているかのごとく、
巡り巡って、やるはめになります。


--
高野智暢

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