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2020.11.11
A-0115. 二乗の和の公式 — T.T
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二乗の和の公式
発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/
連載「X線CTで高精度寸法測定!?」
2020年11月11日号 VOL.115
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
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最近、二乗の和の公式を導く機会があったので、それを書きます。
確か、二乗の和の公式の導出方法は何通りもあって、
なかなか奥の深い世界が広がっています。
たぶん、昔に何度も解いた問題ですが、すっかり忘れています。
これは、ノーヒントで解いた時の爽快感を味わうチャンスです。
忘れるということは良いことです。
まずは、計算したい式を書きます。
S = 1^2 + 2^2 + 3^2 + 4^2 + ... + n^2 = Σk^2
この S を計算します。
Σは、kについて、1~n まで走ることとします。
各項を分解してみると、奇数の和で書けることが分かります。
1^2 = 1 = 1
2^2 = 4 = 1 + 3
3^2 = 9 = 1 + 3 + 5
4^2 = 16 = 1 + 3 + 5 + 7
5^2 = 25 = 1 + 3 + 5 + 7 + 9
...
n^2 = 1 + 3 + 5 + ... + (2n-1)
これを縦に足すと、同じ数が何回出現するかを見て、
掛け算でまとめることができます。
S = 1×n + 3(n-1) + 5(n-2) + ... + (2n-3)×2 + (2n-1)×1
この式をΣでまとめると、
S = Σ(2k-1)(n-k+1)
になるので、展開して、
S = Σ(2kn - 2k^2 + 2k - n + k - 1)
= 2nΣk - 2Σk^2 + 2Σk - nΣ1 + Σk - Σ1
となります。
ここで、
Σ1 = n
Σk = n(n+1)/2
は簡単に求まるので、代入します。
また、2Σk^2 は、2S です。すると、
S = 2n{n(n+1)/2} - 2S + 2{n(n+1)/2} - n^2 + n(n+1)/2 - n
= (n+1)n^2 + n^2 + n - n^2 + (n^2)/2 + n/2 - n - 2S
= n^3 + (3/2)n^2 + n/2 - 2S
従って、
3S = n^3 + (3/2)n^2 + n/2
になります。この両辺を 3 で割って、
S = (2n^3 + 3n^2 + n)/6
が得られました。因数分解すれば、
S = (1/6)n(n+1)(2n+1)
です。(これが求めたかった公式です。)
ところで、最初に平方数が奇数の和で書けることに気が付きました。
絵で描くとこんな感じです:
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忘れると、何回も楽しめます。
--
高野智暢

