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2018.03.14
A-0078. ディストーションのお話 — TT
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ディストーションのお話
発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/
連載「X線CTで高精度寸法測定!?」
2018年3月14日号 VOL.078
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
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TomoScope では、ディストーション補正が一つのポイントになっています。
正方形が並んだ格子をディテクタ上に投影しても、
通常はどの位置でも同じ倍率で拡大された投影像にはなりません。
そのため、ディテクタの場所ごとに正方形が歪んで映る状態を
上手く補正してあげる必要があります。
しかもその補正を国際的なメートル基準にトレーサブルな方法で
実行するのは簡単ではありません。
詳細をこの場で説明するのは難しいですが、
結構高度な概念と技術を使って、TomoScope のディストーションは
補正されています。
さて、ディストーションは、TomoScope に限らず、
当社で扱っている測定機では常に気になる存在です。
Tropel社製の干渉計でもディストーションを扱うことがあります。
今回は、Tropel社のソフトウェア TMS に組み込まれている
ディストーションの成分展開の各項を眺めてみます。
X Translation :
dX = [XTrans]
Y Translation :
dY = [YTrans]
Magnification :
dX = X [Mag]
dY = Y [Mag]
Anamorphic Mag :
dX = X [Anamorph]
dY = -Y [Anamorph]
Rotation :
dX = -Y [Rot]
dY = X [Rot]
Skew :
dX = Y [Skew]
dY = X [Skew]
X Trapezoid :
dX = XY [XTrap]
dY = Y^2 [XTrap]
Y Trapezoid :
dX = X^2 [YTrap]
dY = XY [YTrap]
Pincushion (3rd order Radial) :
dX = X (X^2 + Y^2) [Pin]
dY = Y (X^2 + Y^2) [Pin]
Anamorphic Pincushion :
dX = X (X^2 + Y^2) [AnamorphPin]
dY = -Y (X^2 + Y^2) [AnamorphPin]
5th order Radial :
dX = X (X^2 + Y^2)^2 [5th]
dY = Y (X^2 + Y^2)^2 [5th]
Tangential 1 :
dX = -XY [Tan1]
dY = X^2 [Tan1]
Tangential 2 :
dX = Y^2 [Tan2]
dY = XY [Tan2]
数式に慣れ親しんでいる人にとっては、
これらの数式が視覚的なイメージに見えます。
また、よく眺めていると対称性も見えてきます。
技術者にとっては、役に立つ便利な道具ですが、
マニアにとっては、それだけではなく、見ているだけで
楽しい数式です。
工具を並べて、眺めながら楽しんでいる人もいれば、
数式を並べて、眺めながら楽しんでいる人もいるのです。
--
高野智暢

