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2016.12.14

A-0065. 空間精度測定とZ軸の影響 — TT

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空間精度測定とZ軸の影響 
 
発行:エスオーエル株式会社 
https://www.sol-j.co.jp/ 
 
連載「X線CTで高精度寸法測定!?」 
2016年12月14日号 VOL.065 
 
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 
X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 
無料にてメールマガジンを配信いたしております。 
 
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 
 
 
 
前回は、三次元測定機の空間精度測定について書きました。 
今回は、Z軸が空間精度測定にどんな影響を与えるのか考えてみます。 
 
 
まず、400mm のスケールを三次元測定機のステージ上に斜めに配置します。 
 
スケールの一方を Z=0mm に置き、もう一方を例えば Z=50mm になるようにします。 
 
その前に、XYステージの精度を確認しておくのですが、 
仮に、X軸とY軸の誤差が完全に 0 で、 
それらの直交度も完全に 0 だったとします。 
 
 理想的な状態を考えて、問題を切り分けるというのは、 
 何かを分析するときの基本的な考え方です。 
 
そして、その 400mm スケールを XYZ軸 の全てを動かしながら、 
測定していきます。 
 
 
もし、正しく測定できたとすると、 
400mm の測定結果は、400mm となるはずなので、 
 
  L1 = 400 = √{(400 cosθ)^2 + 50^2} 
 
と書くことができます。 
θは、XYステージと 400mm スケールのなす角度です。 
 
 
でも、X方向とY方向の測定が誤差 0 の理想状態だったとしても、 
Z方向にリニアな誤差が乗っていると、 
400mm を測定しても、400mm にはなりません。 
 
Z方向に、誤差δがあるときの 400mm の測定結果を L2 とします。 
これを式で書くと、 
 
  L2 = √{(400 cosθ)^2 + (50+δ)^2} 
 
になります。 
 
つまり、正しい結果 L1 と誤差を含んだ結果 L2 の差 ΔL は、 
 
  ΔL = L2 - L1 = √{(400 cosθ)^2 + (50+δ)^2} - 400 
 
のように書けます。 
 
 
では、ΔL = 0.001mm だったとします。 
 
斜めに置いた 400mm スケールの測定結果が、 
400.001 mm だったときを考えるということです。 
 
式変形して、L2 = L1 + ΔL の両辺を二乗すると、 
 
  (400 cosθ)^2 + (50+δ)^2 = (400 + 0.001)^2 
 
となります。 
これを δについて解きたいので、移項して、 
 
  (50+δ)^2 = (400 + 0.001)^2 - (400 cosθ)^2 
 
とします。この両辺の平方根を取ると、 
 
  δ = √{(400 + 0.001)^2 - (400 cosθ)^2} - 50 
 
を得ます。 
この状況で、cosθを求めると、 
 
  cosθ = cos{arcsin(50/400)} = 0.99215674 
 
となるので、Z方向の誤差は、 
 
  δ = 0.008 mm 
 
であることが分かります。 
 
 
検算のために、cosθとδの値を L2 に代入すると、 
確かに、 
 
  L2 = √{(400 cosθ)^2 + (50+δ)^2} = 400.001 mm 
 
となります。 
 
 
ここまで、高度な数学は全然使っていません。 
 
でも、現場でこの問題に遭遇した担当者が、 
すぐに計算して、影響を見積もれるかというと、 
少々訓練が必要になると思います。 
 
何が未知数で、何が測定可能で、何を求めようとしているのか 
を見失わずに立式して、解いていかなくてはなりません。 
 
 
このような調整をマニュアル化することで、 
品質は保てるようになります。 
 
しかし、担当者がマニュアルに頼ってしまうと、 
応用が利かなくなり、本当にベストな追い込み調整が 
できなくなってしまう可能性があります。 
 
機械に自動化させるにしてもそうです。 
 
結局、自分で考えて、マニュアルを作った人や、 
機械に自動化させるプログラムを書いた人が 
一番勉強になり、ノウハウが蓄積するのです。 
 
 
今回計算した内容は、ひょっとすると間違っているかもしれません。 
 
でも、それでも良いのです。 
実機が目の前にあれば、見積もりが確からしいか、 
明らかな間違いがあるのかを直接確認できます。 
 
正しさを確認できれば、やろうとしていることの参考になりますし、 
間違いが見つかれば、それを訂正すればよいのです。 
 
 
そもそも、何を仮定として考えたかということも重要です。 
 
実際の三次元測定機では、 
XYステージの調整が誤差 0 の完全ということはありません。 
 
Z軸も、リニアな誤差が乗っているだけでなく、 
XYステージに対する直交度も誤差を持っています。 
 
ですから、どのような誤差が存在して、 
どのように関連しているのかを考えていくと、 
計算したくなるものや調べてみたくなるものがたくさん出てきます。 
 
 
このように考えていくことで、 
三次元測定機とはどのように成り立っているのかが 
少しずつ見えてきます。 
 
そして、そんな三次元測定機をベースに、 
その上にX線CTスキャンを構築した TomoScope という装置が 
如何に興味深く面白いものかが分かってきます。 
 
 
-- 
高野智暢


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