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2012.01.10

A-0010. TomoScopeと3D-CADとその周辺 — TT

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TomoScopeと3D-CADとその周辺

発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/

連載「X線CTで高精度寸法測定!?」
2012年1月10日号 VOL.010

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
無料にてメールマガジンを配信いたしております。

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TomoScope は、寸法測定を主目的としたX線CT三次元測定機なので、
3D-CAD を使うことがほぼ前提となります。

もちろん、3D-CADなしでもスキャンされたデータ上で点指定し、
寸法測定することはできます。
しかし、せっかく内部構造を含めた全形状データが取り込まれているのに、
3D-CADなしでは、TomoScopeの持つ高度な機能を使いきることはできません。

3D-CADを使ったTomoScopeの機能をざっと挙げるだけでも、
  ・パッチ選択機能
  ・スキャン前に測定箇所のプログラム作成
  ・アライメント、正確な断面指示
  ・設計からのズレをカラー表示
などがあります。


3D-CAD というと、「もう常識のように使っています」というお客様と、
「まだ2次元の図面が主流で、3D-CADなんてまだまだ」というお客様がいらっしゃるようです。

しかし、お問い合わせいただいたお客様の社内では、設計部門が3D-CADを使っていて、
2次元の図面が主流と言っていたお客様も、「あ、3D-CADありました」なんてこともあります。


この仕事をしていてよくお目にかかるファイル形式に
「IGES」「STEP」「STL」「REK」
があります。

3D-CADというと、「IGES」「STEP」を指します。
もっと詳しい方なら、3D-CADというと「x_t」とかのCADソフトで使う形式で、
「IGES」「STEP」などは、CADソフト間でデータをやり取りするための
「中間ファイル フォーマット」でしょうと言われるかもしれません。

いずれにしても、TomoScopeは 3D-CADモデル として、
「IGES」や「STEP」を読み込めます。

IGES は、「Initial Graphics Exchange Specification」の略で、
3D-CADモデルの実質的な世界標準となっており、
多くの3D-CADソフトで扱うことができます。

IGES には、バージョンや方言のようなものがあり、
多少扱いに注意が必要な場合もありますが、標準的なものであればぼぼ上手くいきます。

その点、STEP は IGES の教訓を活かしてか、読み込みが上手くいかないことは少ないのですが、
IGES はあるけど、STEP には対応してませんでした。と言われることがあります。
ちなみに、STEP は、「STandard for the Exchange of Product model data」の略で、
ISO 10303 という国際規格です。


TomoScopeは、スキャンデータとして、「STL」「REK」を出力します。
REK は、ボリュームデータと呼ばれるもので、中身の詰まった形状データです。

REK から 空気層と物質層の境界を計算して、表面抽出したものが「STL」となります。

STL は、「STereo Lithography」または「Standard Triangulated Language」の略で、
三角形のポリゴンで表現された形状データです。


それにしても、世の中の3D化の流れには驚かされることがよくあります。
コンピュータの性能が追いついたこともあって、いろいろなことが実現しています。

Adobe の Acrobat(アクロバット)で 3D画像を操作できる時代になりました。

また、無料の 3Dモデラー も登場しています。
(β版で登録が必要ですが、Autodesk 123D というものです。)

最近、ちょっとした 3D の説明図を描きたいと思っていたら、
Google SketchUp なんていうのが出ていました。
無料版と有料版がありますが、ちょっとしたことなら無料版でいろんなことができます。

使ってみると、図形の断面とか交差の問題を解くのにとても便利です。
イメージしにくい複雑な立体の交差も、3Dで描いてクルクル回して見ると、
あ、そんな風に見えるのか!という具合です。
ソフト上の分度器で測れば、立体的に作図したものの角度も分かります。

2次元図面から3次元をイメージし、頭の中の3次元を2次元で表現してきた熟練の方々には、
便利になった分、頭を使わなくなる時代を危惧される方もいらっしゃるかと思います。

便利になった分、図面の読み方や空間認識力を身に付けるには、
より一層の意識的な努力が必要になっていくのかもしれません。


--
高野智暢


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