ウェーハ測定項目解説

1. Wafer測定項目一覧

1.1 項目一覧表

保持方法 グローバル
/サイト
基準面 参照面 レンジ/偏差
/その他
SEMI名称 Tropel名称
全面吸着 グローバル 表面基準 3-point レンジ GF3R TIR
偏差 GF3D FPD
Best Fit レンジ GFLR NTV
偏差 GFLD NTD
裏面基準 Back Side レンジ GBIR TTV
Angle Range TAPER
Degree TILTANGLE
サイト 表面基準 Global 3-point レンジ SF3R LTIR(3)
偏差 SF3D LFPD(3)
Global Best Fit レンジ SFLR LTIR(BF)
偏差 SFLD LFPD(BF)
Site 3-point レンジ LTIR(S3)
偏差 LFPD(S3)
Site Best Fit レンジ SFQR LTIR(SBF)
偏差 SFQD LFPD(SBF)
裏面基準 Back Side レンジ SBIR LTV
偏差 SBID LDOF
非吸着 グローバル 表面基準 3-point レンジ GF3YFER
(GF3NFER)
WARP
偏差 GF3YFCD
(GF3NFCD)
BOW
Best Fit レンジ GFLYFER
(GFLNFER)
SORI

※非吸着測定の場合、ウェーハの保持方法により、SEMI名称が異なります。
 詳細に関しては各測定項目をご参照下さい。

1.2 SEMI名称(全面吸着)の頭文字意味

1番目の頭文字
…(G)又は(S)
測定法 G Global グローバル平坦度
S Site サイト平坦度
2番目の頭文字
…(F)又は(B)
基準面 F Front 表面
B Back 裏面
3番目の頭文字
…(I),(3),(L),(Q)
基準面及び領域 I Ideal 理想平面
3 3 point 3点平面
L Least Square 最小二乗平面
Q Quantity サイトごとに調整される場合
4番目の頭文字
…(R)又は(D)
測定パラメータ R Range レンジ
D Deviation 偏差

1.3 SEMI名称(非吸着)の頭文字意味

1番目の頭文字
…(G)又は(S)
測定法 G Global グローバル平坦度
S Site サイト平坦度
2番目の頭文字
…(F),(M)又は(B)
基準面 F Front 表面
M Middle 中間
B Back 裏面
3番目の頭文字
…(L)又は(3)
基準面 L Least Square 最小二乗平面
3 3 point 3点平面
4番目の頭文字
…(Y)又は(N)
重力計上 Y Yes 重力による中だるみのために
修正済み
N No 重力による中だるみのために
修正されていない
5番目の頭文字
…(F),(M)又は(B)
基準面 F Front 表面
M Middle 中間
B Back 裏面
6番目の頭文字
…(E),(P)又は(C)
測定パターン E Entirety 全スキャン(全体)
P Partial 部分スキャン
C Center 中心点
7番目の頭文字
…(R)又は(D)
測定パラメータ R Range レンジ(TIR)
D Deviation 最大RPD

2. 保持方法、基準面及び参照面

2.1 保持方法

全面吸着 Clamp ウェーハの裏面を真空チャックに全面吸着させて測定する方法です。
非吸着 Unclamp ウェーハの裏面の3点または1点を吸着し、元の形状を変えないように測定する方法です。

2.2 基準面

表面基準 Front Reference ウェーハの表面が基準面になります。最小二乗平面と3点基準平面があります。
裏面基準 Back Reference 平坦なチャック面に全面吸着させたウェーハ裏面が基準となります。
ウェーハの持つくさび形状が反映します。

2.3 参照面

最小二乗平面 Best Fit Plane
ウェーハ表面上の全データから最小二乗法により計算される平面です。
A:表面形状データ
B:最小二乗平面
3点基準平面 3-Point Retilt
ウェーハ表面測定領域の内側3点を通る平面です。通常は直径の3%内側を取ります。
A:ウェーハ表面測定領域
B:3点基準

3. Wafer測定項目詳細

3.1 全面吸着グローバル解析

ウェーハの裏面を真空チャックに全面吸着させて測定した場合の測定項目です。

Total Indicated Reading for wafer TIR (SEMI名称:GF3R)
3点基準平面からの最高点と最低点までの距離の合計です。常に正の値となります。
TIR=|A|+|B|
A:最高点の距離
B:最低点の距離
C:3点基準平面
Focal Plane Deviation FPD (SEMI名称:GF3D)
3点基準平面からの最高点と最低点までの距離のうち、絶対値の大きい方を出力します。
正負何れかをとります。最高点の場合はプラス、最低点の場合はマイナスです。
FPD=|A| (|A|>|B|)
FPD=-|B| (|A|<|B|)
A:最高点の距離
B:最低点の距離
C:3点基準平面
Non-Liner Thickness Variation NTV (SEMI名称:GFLR)
最小二乗平面からの最高点と最低点までの距離の合計です。常に正の値となります。
NTV=|A|+|B|
A:最高点の距離
B:最低点の距離
C:3点基準平面
Non-Liner Thickness Deviation NTD (SEMI名称:GFLD)
最小二乗平面からの最高点と最低点までの距離のうち、絶対値の大きい方を出力します。
正負何れかをとります。最高点の場合はプラス、最低点の場合はマイナスです。
NTD=|A| (|A|>|B|)
NTD=-|B| (|A|<|B|)
A:最高点の距離
B:最低点の距離
C:3点基準平面
Total Thickness Variation TTV (SEMI名称:GBIR)
平坦なチャック面にウェーハ裏面を全面吸着させ、ウェーハ裏面からの最低点を最高点を差し引いた値です。
つまり、ウェーハ裏面を基準とした厚みムラとなります。
TTV=|A|
A:TTV
B:チャックに吸着されたウェーハ裏面
テーパ TAPER
平坦なチャック面に全面吸着させたウェーハ裏面に対して、表面の最小二乗平面の平行度のズレを出力します。
TAPER=|A|
A:Taper
B:最小二乗平面
C:チャックに吸着されたウェーハ裏面
チルトアングル TILTANGLE
平坦なチャック面に全面吸着させたウェーハ裏面に対して、表面の最小二乗平面の角度(単位:deg)を出力します。
TILTANGLE=|A|
A:Taper
B:最小二乗平面
C:チャックに吸着されたウェーハ裏面
D:TILTANGLE(単位:deg)

3.2 全面吸着サイト解析

ウェーハの裏面を真空チャックに全面吸着させて測定し、サイト毎に解析した場合の測定項目です。

Local Total Indicated Reading LTIR (SEMI名称:SFQR)
サイト毎の表面基準からサイト表面上最高点と最低点までの距離の合計です。常に正の値となります。
LTIR=|A|+|B|
A:サイト内最高点の距離
B:サイト内最低点の距離
C:サイトの表面基準面
Local Focal Plane Deviation LFPD (SEMI名称:SFQD)
サイト毎の表面基準面からサイト表面上最高点と最低点までの距離のうち、絶対値の大きい方を出力します。
正負何れかをとります。最高点の場合はプラス、最低点の場合はマイナスです。
LFPD=|A| (|A|>|B|)
LFPD=|B| (|A|<|B|)
A:サイト内最高点の距離
B:サイト内最低点の距離
C:サイトの表面基準面
Local Thickness Variation LTV (SEMI名称:SBIR)
ウェーハ裏面に平行な基準平面からウェーハ表面上の最高点と最低点までの距離の合計です。常に正の値です。
これは、ウェーハ裏面から各サイト表面上の最高点と最低点までの高さの差であり、各サイトの厚みムラとなります。
LTV=|A|+|B|
A:サイト内最高点の距離
B:サイト内最低点の距離
Local Depth Of Focus LDOF (SEMI名称:SBID)
ウェーハ裏面に平行な基準平面からウェーハ表面上の最高点と最低点までの距離のうち、絶対値の大きい方を出力します。
正負何れかをとります。最高点の場合はプラス、最低点の場合はマイナスです。
LDOF=|A| (|A|>|B|)
LDOF=|B| (|A|<|B|)
A:サイト内最高点の距離
B:サイト内最低点の距離

3.3 非吸着全面解析

ウェーハの裏面の3点または1点を吸着し、元の形状を変えないように測定した場合の測定項目です。

ワープ WARP (SEMI名称:GF3YFER)→FlatMaster
(SEMI名称:GF3NFER)→UltraSort
3点基準平面からウェーハ表面上の最高点と最低点までの距離の合計です。常に正の値となります。
WARP=|A|+|B|
A:最高点の距離
B:最低点の距離
C:3点基準平面
バウ BOW (SEMI名称:GF3YFCD)→FlatMaster
(SEMI名称:GF3NFCD)→UltraSort
ウェーハ中心の高さを測定します。この高さは3点基準平面からの符号付距離です。
3点基準平面より上の場合はプラス、下の場合はマイナスです。
BOW=A
A:ウェーハ中心の高さ
B:ウェーハ中心
C:3点基準平面
ソリ SORI (SEMI名称:GFLYFER)→FlatMaster
(SEMI名称:GFLNFER)→UltraSort
最小二乗平面からウェーハ表面上の最高点と最低点までの距離の合計です。常に正の値となります。
BOW=A
A:最高点の距離
B:最低点の距離
C:最小二乗平面

非吸着測定項目において、SEMI名称は、保持方法を明示できるようになっています。そのため、FlatMasterのWaferバージョンの場合、ウェーハを垂直に近い状態で保持することで、重力による中だるみのために修正済みとなり、4番目の文字がYとなります。

一方、UltraSortでの測定の場合、ウェーハを水平で保持することで、重力による中だるみのために修正されていないので、4番目の文字がNとなります。しかし、一般に使用されている「ワープ」、「バウ」、「ソリ」という名称は、その保持方法に依らず、同一です。

4. サイト解析詳細

4.1 サイト解析基準面

基準面は下表の中からお選び頂けます。ソフト上で切り替え可能です。

基準面 フォーカス/チルト調整 サイト内参照点 参照点名称
表面基準 全面基準
(サイト調整なし)
None
サイト焦点調整
(Refocus)
(a) Center Point Refocus
(b) Corner Average Refocus
(c) Side Average Refocus
サイト焦点チルト調整
(Relevel)
(d) Site 3 point Relevel
(e) Site 4 point Relevel
(f) Site LS Relevel
裏面基準 全面基準
(サイト調整なし)
None
サイト焦点調整
(Refocus)
(a) Center Point Refocus
(b) Corner Average Refocus
(c) Side Average Refocus

4.2 フォーカス/チルト調整

Refocusでは、各サイト基準面は、前面の基準面と平行です。
Relevelでは、各サイト基準面をチルトも含めて再算出します。

(a)はサイト内1点、(b),(d),(e)はサイト内数点の平均を基準とします。
(c)はサイト外周の平均を基準にし、(f)はサイト内全面の最小二乗平面を基準とします。

4.3 サイト内参照点

Refocus Relevel
(a) Center Point Refocus
(d) Site 3 Point Relevel
(b) Corner Average Refocus
(e) Site 4 Pont Relevel
(c) Side Average Refocus
(f) Site LS Relevel