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Uncertaintyの使い方

発行:エスオーエル株式会社
http://www.sol-j.co.jp/

連載「知って得する干渉計測定技術!」
2012年7月10日号 VOL.058

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測定機で管理の厳しい測定を行う場合、
Uncertainty(不確かさ)という指標を用いることがあります。

Uncertainty の考え方は、測定の本質に根ざしたものであり、
最初は難解でも、一旦理解してしまえば、理にかなった説得力のあるものです。

今回は、今月に入って立て続けにお問合せがあった Uncertainty について、
解説したいと思います。


Uncertainty の計算方法の解説は以前にもご紹介致しました。


さて、そのように計算した Uncertainty は、
どうやって使えばよいのでしょうか。

結論から申しますと、
例えば平面度の測定値が 321nm で、Uncertainty が 10nm だったとします。
そのとき、「321nm ± 10nm (信頼水準95%)」のように使います。
言葉で言い直すと、
「この物体の平面度が 311nm 〜 331nm の間にあることに対して
95%の自信が持てます」と言うことができます。


どうして、こんな面倒な言い方をするのでしょうか。
それには、1回測定して得た数値にどんな意味があるのかを深く考えてみる
必要があります。

今、真の値が分かっている物体があるとします。
「真の値」というものも実は厄介で、神のみぞ知る値というものが
「存在」するのかという哲学の存在論になってしまいます。
人間が行う測定では必ず誤差を伴うので、真の値など存在しない。
いや、理想的に真の値が存在すると考えた方が都合がよい。
いやいや、真の値というものが確かに存在して、でも得難いものだ。
などと議論が困窮してしまいます。

真の値について、実は人類は素晴らしい解決策を手にしています。
そのような研究を行っている機関が宣言する値を
「真の値」と呼ぼうではないか!というものです。

そのような研究の専門機関は、
アメリカではNIST、日本ではAIST、ドイツではPTBです。
これらの機関は、真の値を言い張って思考停止しているのではなく、
一般の人々が正しく使える真の値を提供する一方で、
真の値の意味を考え続けてくれています。

でも、その専門機関が今1回測定したものの真の値を教えてくれる
わけではありません。

真の値が分かっている物体(例えば200nm)を繰り返し測定機で測ってみると、
確かにその測定機の精度は分かります。
平均値が 205nm で 5nm ずれていますね。
3σが2nmで分布に広がりがありますね。という具合です。

では、真の値が分かっていないものを今1回測って得た 321nm とはなに?
測定機の精度とどう関係があるの?となってしまいます。
そのようなわけで、Uncertainty というものを測定機ごとに計算し、
今1回その測定機で測った値に意味を持たせるようにするのです。


書いているうちに、今回書こうと思っていた信頼水準を説明する
スペースがなくなってきてしまいました。

信頼水準95%では不満だ、あるいは過剰だ、と思われる方のために、
信頼水準の計算方法(解説はまたの機会に...)だけお伝えします。

エクセルで「 =2*(NORMSDIST(2)-NORMSDIST(0)) 」を計算してみて
下さい。0.954 (=95.4%) となるはずです。
これが、先程から信頼水準95%と言っているものの出所です。

kという変数を用意しておいて、
エクセルで「 =2*(NORMSDIST(k)-NORMSDIST(0)) 」を計算すれば、
kの値に応じた信頼水準が得られます。

信頼水準95%ですと言われた Uncertainty を 2 で割り、kを掛けると、
そのkに応じた Uncertainty が得られます。

信頼水準95%の Uncertainty が 10nm のとき、
信頼水準99%の Uncertainty は 12.9nm になります。
(10nmを2で割って、k=2.58を掛けました。kの値はエクセルで探します。)

もう少し追記すると、k=2で信頼水準95%と言っているのは、余裕があります。
k=2 では本当のところ、95.4% だからです。
少しでもプラスマイナスの値を小さくしたいときは、k=1.96 であれば、
信頼水準95.00% なので、±10nm と言っていたところを ±9.8nm と言えます。

--
高野智暢


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