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空間コヒーレンスとコントラスト

発行:エスオーエル株式会社
http://www.sol-j.co.jp/

連載「知って得する干渉計測定技術!」
2011年6月10日号 VOL.040

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平面度測定機 FlatMaster では、
干渉縞のコントラストを調整するために、空間コヒーレンスを変化させます。

コントラストとは、最も明るい部分と最も暗い部分の明るさの差のことです。
コヒーレンスとは、干渉のしやすさのことです。

干渉しやすいと、干渉縞が鮮明になりますので、
一見、コントラストの変化 = 空間コヒーレンスの変化 という関係は、
無条件で受け入れられるトートロジーのように思えます。


しかし、「光源の大きさを変えることで、空間コヒーレンスを変化させています。」
という事実を初めて聞いて、すぐに

  コントラストの変化 = 光源の大きさの変化 = 空間コヒーレンスの変化

という図式が納得できる人は少ないのではないでしょうか。


さらに、コヒーレンスは

  σ = (照明系のNA) / (対物レンズのNA)

というσ値で表されるということを聞くと、コントラストとコヒーレンスの関係に
自信をもって「当たり前だ」と答えられなくなるかもしれません。

ただ、σ値の定義を見て直感的に「光源の大きさは、コヒーレンスに関係する。」
と、関連性に気が付く人はいるかもしれません。



さて、前置きが長くなりましたが、
今回は、光源の大きさがコントラストに影響することをみてみます。

コントラストを考えるからには、定量的に定義します。
明るさの最大値を I(max)、最小値を I(min) として、コントラスト C を

  C = [ I(max) - I(min) ] / [ I(max) + I(min) ]

で定義します。
I(min) = 0 のとき、C=1でコントラストが最大になることが分かります。
そして、コントラストが下がっていくと、C<1 となり、C=0 が最小です。


干渉で困ったら、ヤングの干渉実験に立ち返って考えるのが分かりやすいので、
次のような状況を考えます。

波長λの点光源を2つ思い浮かべます。それぞれの位置を a,b とします。
a,b から離れた平面上に2つのピンホール p,q を開けます。
ピンホールの開いた平面の後ろにスクリーンを置きます。

点光源 b を消して、点光源 a のみでピンホール p,q を照らすと、
スクリーン上には干渉縞 f1 が映ります。

逆に、点光源 a を消して、点光源 b のみでピンホール p,q を照らすと、
スクリーン上には干渉縞 f2 が映ります。

干渉縞 f1 と f2 は、同じピッチになります。これを s とします。
しかし、f1 と f2 は、横に距離 d だけ、ずれています。d を計算すると、

  d = s [ (ap - aq) - (bp - bq) ] / λ

となります。
ただし、ap, aq, bp, bq はそれぞれ 2点間の距離の意味で使っています。


ここで、点光源 a と b で同時にピンホール p,q を照らすことを考えます。

2つの点光源は、全く独立したものですから、光の位相は全くランダムに変化します。
つまり、a と b の光は干渉しません。干渉しないということは、
単純に f1 と f2 の干渉縞を重ねた f1 + f2 がスクリーンに映る縞模様となります。

f1 と f2 の I(min) を 0 としたときに、
もし、f1 と f2 のパターンがぴったり重なったとすると、
f1 + f2 の I(min) は 0 のままです。

しかし先程説明したとおり、f1 と f2 のパターンは d だけずれています。
つまり、お互いの I(min)=0 の箇所に少し明るい部分が重なり、
f1 + f2 の I(min) は 0 ではなくなります。

従って、f1 と f2 のコントラストは、どちらも C=1 ですが、
点光源が2つあることで、干渉縞 f1 + f2 のコントラストは、C<1 に下がってしまいます。


光源が大きさをもつときは、点光源がたくさん集まったものとみなすことができます。
すると、それぞれ異なった d の干渉縞が互いに埋め合い、
コントラストを下げることが想像できます。

光源を大きくすれば、点光源が増え、さらに干渉縞を埋め合うことで、
コントラストがどんどん下がっていくことが分かります。

このようにして、コントラストの変化 = 光源の大きさの変化
を理解することができます。

--
高野智暢


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