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表面形状の微分

発行:エスオーエル株式会社
http://www.sol-j.co.jp/

連載「知って得する干渉計測定技術!」
2010年4月10日号 VOL.014

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以前のメールマガジンで、「ハーモニック解析と加速度解析」をご紹介しました。

そこでは、あたかも表面形状の関数が分かっているものとして、説明してあります。
関数が分かっているなら、「その2階微分を計算して、加速度を出しています」
という説明も納得できます。

しかし、実際には様々な表面形状があり、
その関数を完全に求めてから解析という訳にはいきません。

では、関数形の未知な表面形状をどうやって微分しているのでしょうか。


まず、表面形状はどのようなデータとして扱われているかを考えます。
理想的には、表面上の位置 (x,y) を指定すれすると、
高さ z が定まる連続データが得られていれば良いのですが、
実際は、CCDカメラの各ピクセル (i,j) に対して離散的な 高さ Z しか得られていません。

ますます疑問は深まります。
連続関数の微分は分かるが、離散データなのに微分?を考えることになり、混乱してきます。

答えを言うと、離散データの微分に当たるものは、差分になります。


では、実際にどのような計算をしているかを見ていきましょう。

3×3ピクセルの高さデータとして、

Z(1), Z(2), Z(3)
Z(4), Z(5), Z(6)
Z(7), Z(8), Z(9)

が得られていると考えます。

実際には、全部で512×512ピクセルのデータがあるのですが、
そのうちの3×3ピクセルに注目しています。

今、真ん中のピクセル(Z(5)の位置)における局所勾配を計算します。
各点における局所勾配を計算することが、まさに表面形状の微分になるわけです。
その計算は、以下のような差分になります。

X方向:
X(5) ={2×Z(6) − 2×Z(4) + Z(3) + Z(9) − Z(1) − Z(7)}/(ピクセル間距離)

Y方向:
Y(5) ={2×Z(8) − 2×Z(2) + Z(7) + Z(9) − Z(1) − Z(3)}/(ピクセル間距離)

傾きベクトルの大きさ:
XY(5) = √{ ( X(5) )^2 + ( Y(5) )^2 }

そして、傾きベクトルは、
(X , Y)
となります。


差分と聞いて、この式を見ると、あれ?っと思うかもしれません。
差分なら、X(5)を求めるのに Z(6) と Z(4)、Y(5)を求めるのに Z(8) と Z(2)
の差をそれぞれ見れば十分なのに、それ以外のピクセルのデータも入っています。

この計算は、少しややこしく見えるかもしれませんが、
周りのデータも適切に重み付けして考慮した、より良い計算方法です。

画像処理工学的(数学的)に言うと、Sobel演算を作用させたことになります。


全ピクセルで同様の計算を行えば、微分した形状となり、
後は、その最大値を見付けたり、平均値を出したりするのは、簡単です。

今回は、表面形状の微分について解説しました。

--
高野智暢


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