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【 記 事 】

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スカラー場の微分はベクトル場 
 
発行:エスオーエル株式会社 
http://www.sol-j.co.jp/ 
 
連載「X線CTで高精度寸法測定!?」 
2017年4月12日号 VOL.069 
 
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前回のメルマガでは、 
スカラー場とベクトル場のお話をしました。 
 
今回は、スカラー場の微分を考えてみます。 
 
まず、微分の考え方を思い出してみます。 
 
1m×1m×1m の部屋が横一列に 
1000個並んでいるとします。 
 
1つの部屋には、 
左と右に1つずつ隣の部屋が接しています。 
 
各部屋には、温度計が1つずつ置いてあり、 
部屋の温度が分かるようになっています。 
 
例えば、100号室とその隣の101号室の温度が 
まったく同じ 23.5℃ だったとします。 
 
このとき、微分値は 0 になります。 
 
 
200号室と201号室の温度がそれそれ 
23.2℃ と 23.3℃ だったとします。 
 
このとき、微分値は 0.1 です。 
単位を付けるならば、度/部屋 
という感じになります。 
 
この温度差は、1部屋で 0.1度 であり、 
もしこの調子で10部屋行くと、1度 の温度差になる 
という意味です。 
 
 
300号室と301号室の温度がそれぞれ 
22.0℃ と 27.0℃ だったとします。 
 
これは、200号室と201号室の温度差(0.1度) 
と比べると大きい差(5.0度)になっています。 
 
300号室と301号室の微分値は 5.0度 ということです。 
 
この調子で10部屋行くと、310号室は 50度高い 
72℃ になってしまいます。 
 
実際には微分値なので、「この調子で行けば」という条件は、 
一般には成立しません。 
 
 
もう少し正確にいうと、これは微分値ではなく、 
差分です。 
 
微分にするには、 
部屋の幅を1mから無限に小さくして、 
部屋の数を無限に増やす必要があります。 
 
すると、無限に薄い部屋が無限個並んでいる状態になりますが、 
左端の部屋から右端の部屋までの距離は、変わらず 1000m です。 
 
部屋を指定するには、左端から何mの部屋という具合になります。 
 
左端から 500m の部屋について、 
隣接する部屋との温度差が 
その調子で 1m 行けば 0.1度 の温度差になるときに、 
微分値が 0.1度/m ということになります。 
 
 
スカラー場の微分を考えるには、 
これを3次元にします。 
 
ここまでで考えてきた横並びの部屋の場合も、 
1次元のスカラー場に対応しますが、 
ここからは、3次元のスカラー場を考えます。 
 
 
まず、1000m×1000m×1000m の大きな部屋を 
1m×1m×1m の小部屋に分割して、 
各部屋に温度計を置きます。 
 
このとき部屋の数は、1000×1000×1000個になりますが、 
スカラー場にするために、無限に小さい部屋に分割していきます。 
 
都合が良いことに、この無限分割は、 
隣り合う部屋の温度差の差分を 
微分にすることにもなります。 
 
 
横並びの部屋(1次元)の分割と違うところは、 
3次元の場合、接している部屋は、 
前後と左右と上下の3方向があるということです。 
 
そのため、微分値が3方向分出てきます。 
 
例えば、 
前から500m、左から500m、上から500m の部屋について、 
前後方向の微分値が 0.2度/m、 
左右方向の微分値が 0.3度/m、 
上下方向の微分値が 0.4度/m、 
という感じになります。 
 
これを矢印(ベクトル)で表すことができます。 
 
1つの部屋に対して、 
前後と左右と上下の3つの矢印を置くことができて、 
温度差が大きい方向ほど、長い矢印にします。 
 
この3方向のベクトルを合成して、 
1つのベクトルにすることができます。 
 
直交する3方向の微分値が 
ベクトルの成分になっているのです。 
 
つまり、スカラー場の微分がベクトル場になっていることが分かります。 
 
 
せっかくなので、数式で書いてみます。 
 
座標 (x,y,z) を決めると温度φが1つ決まる 
スカラー場を用意します。 
 
そのとき、その微分を 
「grad φ」 あるいは 「∇φ」 と書きます。 
これは、座標 (x,y,z) を決めると温度勾配が決まる 
ベクトル場になっています。 
 
まさに、スカラー場の微分のことを「勾配」と呼びます。 
 
 
今度、機会があれば、 
ベクトル場の微分もご紹介したいと思います。 
 
ベクトル場の微分は、求める量によって、 
スカラー場になるときと、ベクトル場になるときがあります。 
 
 
-- 
高野智暢 


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