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内積の定義とちょっとした計算

発行:エスオーエル株式会社
http://www.sol-j.co.jp/

連載「X線CTで高精度寸法測定!?」
2014年10月8日号 VOL.041

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今夜は、皆既月食です。
18時過ぎから月が欠け始め、20時前には食の最大に達します。
そして21時半過ぎには、元の月に戻ります。
是非、ご鑑賞下さい。


さて、前回は、内積についてお話しましたが、
内積の定義も実際の計算もしないまま、まさにお話で終わってしまいました。

そこで今回は、内積の定義と何かしらの計算をご紹介したいと思います。

まずは、内積の定義です。
ここでは、内積を (・,・) と書くことにします。
そして、2つある「・」には内積を計算する対象を入力します。


<定義1>

 内積とは、以下の3つの性質をもつ演算 (・,・) のことを言います:

  [正値性] (u,u)≧0 で、u=0 のときのみ等号成立
  [対称性] (u,v) = (v,u)
  [線形性] (u+v,w) = (u,w)+(v,w) と (αu,v)=α(u,v)

 ただし、u,v,w は「ベクトル」、α は「スカラー」と呼ばれるものです。


この定義1は、とても抽象的です。
抽象的なので、少々難解ですが、理解してしまえば大変便利です。
この性質をもつものであれば何でも、これは内積であると言い張って、
それを使って前回ご紹介した「完備化」を実行することができるからです。

では、もう少し分かり易い定義をしてみましょう。


<定義2>

 2つのベクトルの成分を順番に拾って、それらを掛けたものを全部足す。

 つまり、u=(u1, u2, u3, u4, ...), v=(v1, v2, v3, v4, ...) という
 2つのベクトルがあったとき、内積 (u,v) を
   (u,v) = u1×v1 + u2×v2 + u3×v3 + u4×v4 + ...
 とする。


この定義2は、定義1に比べると多少具体的です。
定義2を内積の定義だと決めると、定義1はもはや定義ではなく、
定義2から導かれる性質という位置付けになります。
(是非確かめてみて下さい。)

定義2の良い所は、n次元ベクトルという抽象性の高いベクトルでも
内積が明確に定まることです。

でも、各成分を順番に掛けて全部足すという何だかよく分からない演算です。
そこで、もっと抽象度の低い、具体的な内積の定義をご紹介します。


<定義3>

 2つのベクトル u と v の成す角を θ と置き、
 それぞれのベクトルの大きさ(長さ)を |u| と |v| のように書くと、
   (u,v) = |u||v| cosθ
 によって内積 (u,v) を定める。


この定義3は、我々がイメージできる 矢印=ベクトル によって
定義されているため、分かり易いと言われています。

では、定義3を内積の定義だと決めると、
定義2はどういう位置付けになるでしょうか。

そうです。定義3が定義ならば、定義2は定義ではなくて性質になります。
確かめてみます。

予め、余弦定理 |v-u|^2 = |u|^2 + |v|^2 - 2|u||v| cosθ
を証明しておく必要がありますが、省略します。
各辺の長さが |u|, |v|, |v-u| の三角形を書いて、
辺 u と v の成す角を θ としておけば、確認できます。

定義3を次のように計算していくと、性質としての定義2を確認できます。

(u,v) = |u||v| cosθ
   = ( |u|^2 + |v|^2 - |v-u|^2 )/2
   = ( Σ(ui)^2 + Σ(vi)^2 - Σ(v-u)^2 )/2
   = Σ ui vi
   = u1×v1 + u2×v2 + u3×v3


普通は、(内積でも他の数学的概念にしても)抽象度の高い定義が
突然発見されるのではありません。

具体的な定義から始めて、そこから導かれる多くの性質を吟味しているうちに、
より拡張性の高い抽象的な定義に置き換えても論理体系が崩れないことが確認されて、
適用範囲が広がっていくものです。


内積の定義のお話はこれ位にしておいて、
この先はまだ長いです。

目指すは、積分を使って内積を書き下して、
それが上記の定義2の拡張であり、定義1を満たすものだというのを
ご紹介したいと思っています。

そうするとフーリエ級数やフーリエ変換の楽しい世界に入れます。

また、内積をある形に決めると、自然にそれらに対応して、
ゼルニケ多項式やルジャンドル多項式が決まるというお話もご紹介できます。

ゼルニケ多項式の導出は、結構面倒ですが、
ルジャンドル多項式の作り方は、メルマガの1回分に収まる程度の計算です。
これまでルジャンドル多項式が天下り的で気分が悪かったという人は必見です。

--
高野智暢


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