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幾何公差(vol.004):最大実体公差

発行:エスオーエル株式会社
http://www.sol-j.co.jp/

連載「X線CTで高精度寸法測定!?」
2014年1月10日号 VOL.032

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
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新年あけましておめでとうございます。

旧年中は格別なご高配を賜り、誠に有難く厚く御礼申し上げます。

本年も、より一層のご支援を賜りますよう、
従業員一同心よりお願い申し上げます。


今回は「最大実体公差」についてご紹介したいと思います。

一歳になったばかりの息子にキーボードやマウスを狙われたり、
パソコンの電源を不意に切られて書きかけのデータが消えたりと
なかなか集中できませんが、頑張って書きます。
最近は自由に動き回り、ドアも自分で開けられるようになってしまったため、
油断できなくなりました。


さて、最大実体公差は、
「JIS B 0023」を見て頂くと、どんなものかちゃんと書いてあります。
前回少し触れたように、M に ○ の記号を幾何公差の公差値の後に付けます。

この最大実体公差のありがたみを知るためには、
寸法公差と幾何公差は特別な指定がない限り独立して適用されるという
「独立の原則」を知っている必要があります。

例として、φ15±0.2mm と指定された丸棒を考えます。
これに幾何公差である真直度公差がφ0.3mm としてあるとします。

最大実体公差の指定がなければ、独立の原則より、
丸棒の直径は 14.8 〜 15.2mm から外れると不合格であり、
さらに直径が合格でも、
丸棒の中心軸が直径 0.3mm の円筒内に収まっていなければ不合格になります。

独立の原則は、公差の指定が増えるほど、合否判定が厳しくなります。

でも、公差の指定を増やした本来の意図は、
合格品を減らすためではなく、何らかの目的を達成するために
指定を増やさざるを得なかったというのが本音のはずです。

今の例の場合、
φ15.5mm の穴に入る丸棒が必要というのが本来の目的と考えると、
最大実体公差の指定により、合否判定を緩めることができます。

そこで、真直度公差φ0.3mm の後ろに M に ○ の記号 を付けておきます。

もし、丸棒の直径がφ15.2mm で真直度がφ0.3mm であれば、
ぎりぎりφ15.5mm の穴を通ります。

もし、丸棒の直径がφ14.8mm だったらどうでしょうか。
真直度がφ0.3mm では、φ15.5mm の穴は通りますし、まだ真直度に余裕があります。
この場合、真直度がφ0.7mm であっても、14.8 + 0.7 = 15.5 なので、
φ15.5mm の穴を通ります。

つまり、最大実体公差によって合格品が増えて、コストダウンにつながります。


簡単な例を挙げましたが、
最大実体公差はさらに応用することができ、
一見すると非常に難解な指定になることもあります。

JISを読み解くのすら多くの用語や概念を理解する必要があり、
難しく感じることがあるかもしれません。

しかし案外、設計者はシンプルな意図を実現しているだけだったりします。

幾何公差を測定するのに、高度な測定機が必ずしも必要というわけでもありません。
例えば、最大実体公差によって、検査ジグに入れば合格という、
検査の単純化も可能になることもあります。

接触式の三次元測定機では測定が困難という場合もあります。


弊社は、面に関して言えば、粗さ〜微小うねり〜平面度 を網羅した
ご提案をすることができます。

平面度以外の幾何公差に関しても、
接触式〜非接触式〜X線CT といった、幅広い測定技術からご提案をすることができます。

今後とも、測定に関して何か御座いましたら、
是非ご連絡頂ければ、ご協力できることがあると思います。

究極のご提案は、測定機不要、あるいは測定すら不要というご提案だと思いますが、
測定機を販売している我々にとっては、その境地に達することができるかどうかは、
禅問答をしているような面白い問題です。

--
高野智暢


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