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幾何公差(vol.002):データム

発行:エスオーエル株式会社
http://www.sol-j.co.jp/

連載「X線CTで高精度寸法測定!?」
2013年11月10日号 VOL.030

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幾何公差を扱うに当たって、「データム」は避けて通れない最初の基礎知識です。

データムとは、幾何公差を指示するときに必要な基準のことです。

JISでの規定を引用すると
「形態の姿勢偏差、位置偏差、振れなどを決めるために設定した理論的に正確な幾何学的基準」
ということです。

例えば、平面や線、点といったものがデータムとなります。
また、何らかの輪郭がデータムとして与えられていることもあります。

一番イメージしやすいのは、データム平面かと思います。
測定するときに、物を定盤に載せることを思い浮かべて、
その定盤に接する面がデータム平面です。


さて、「データムは基準です」と説明し、
図面での書き方のルールを説明して、
実際に使ってみると、データムは特に難しくないなということになります。

実際に使いこなすことが重要ですので、
難しく考えないで慣れるというのが良さそうです。

でも、せっかくの機会ですので、ちょっと深く考えてみます。


指示されたデータムを使うことを考えます。
データムは、理論的に正確な基準ということでしたので、理論的に正確な形状を探します。
しかし、実際の加工物が理想的な形状を持っていることはまずありません。

例えば、定盤に接する面がデータム面と先程申しましたが、
その加工面がどんなに平坦な平面に見えたとしても、
完全な平面ということはありません。

平面度測定機で測定すれば、何十ミクロンという数字が出てくることでしょう。

では、データムとして指定されたものは、一体何だったのでしょうか。
定盤の面がデータムでしょうか?
いえ、定盤も理想に近い平面ですが、完全な平面ではありません。

そこで、この状況を説明するために、
測定対象となる物のデータムとして指定された面を「データム形体」と呼びます。
そして、定盤の面を「実用データム形体」と呼びます。

データム形体と実用データム形体を接触させて、グラつきなく安定したとします。
平面は、3点が接触していれば、決まります。
つまり、目では確認できませんが、3点が接触して安定しているとき、
その3点によって決まる平面がデータムです。

実体として存在している面ではなく、仮想的な面として考えることができる面を
データムと呼ぶことになるのです。


では、定盤の上に載せたときに、グラついて不安定なときはどうするのでしょうか。
そのときは、球などを支えとして安定させ、やはり、3点接触で決まる平面が
データムとなります。


以上は、定盤を使った場合でした。
では、三次元測定機を使った場合はどうでしょうか?

普通は、データム形状を測定して、その最小二乗平面をデータムとします。

なぜ、最小二乗平面なのか?
理由は幾つか挙げられますが、一つは基準として安定していること、
もう一つは、その計算方法に文句を付けようとする人に対して、
数学的な定理によって尤(もっと)もらしい平面であることを説明できることです。

そしてもう一つ、実用的に重要なことがあります。
計算が簡単であることです。つまり、計算時間が短くて済みます。
ただし、コンピュータにやらせた場合です。人間が計算すると面倒で時間が掛かります。

コンピュータに計算させれば、何でも簡単で、時間が短いと考えるのは、間違いです。
例えば、単純な規則で数を数えさせた場合でも、信じられない程の時間を要することがあります。

  http://www.youtube.com/watch?v=Q4gTV4r0zRs

たまたま、効率の良い計算方法が見つかれば、計算時間を大幅に短縮することができます。


ところで、この数学者ガウスの開発した最小二乗平面は、
定盤の接触平面とは同じ平面にはなりません。
データム形体の真ん中辺りに平面ができます。

Werth社の三次元測定機 VideoCheck や CT三次元測定機 TomoScope は、
接触平面をデータムに取ることが可能です。
数学者チェビシェフが開発した方法で、単純に計算させると、膨大な時間が掛かります。
しかし、Werth社のソフトウェアは最小二乗法と同じ位のあっという間に計算できます。

また、用途に合わせて、チェビシェフ平面かガウス平面を選ぶことができます。

チェビシェフの計算方法がどのようなものかは、またの機会のお楽しみとします。


せっかくデータムの話をしたので、最低限しておくべき豆知識を2つ追加しておきます。

データムは図面上では、三角形で表されます。
本当は、この三角形の話が本題になるべきものですが、絵のないこのメルマガでは、
三角形ですと言うのが精一杯です。

また、データムは英語で Datum と書きます。
データ(Data)の単数形です。
データという単語は、日本語でもよく使いますが、複数形の単語だったのです。

では、今日はこの辺で。。

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高野智暢


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