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重力のお話

発行:エスオーエル株式会社
http://www.sol-j.co.jp/

連載「X線CTで高精度寸法測定!?」
2013年7月10日号 VOL.026

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今回は、前回の話題のつながりで球面収差のお話をしようと思ったのですが、
急遽、重力のお話にしようかと思いました。(球面収差は次の機会にしようと思います。)

というのも、「同じ形状の10kgの鉄球と100gのプラスチック球では、どちらが早く落下する?」
という質問に対して「重たい物が先に落ちる」と答える人が多いという事実に気が付き、
びっくりしたからです。

よく知られている(はず)のように、「重たい物も軽い物も同時に落下」します。
(空気抵抗は無視できる状況を考えています。)


1) 歴史

 「重い方が先に落ちる」と言ったのは、今から2500年位前のアリストテレスという人です。
 「同時に落ちる」ことを証明したのは、今から400年位前のガリレオという人です。
 人類は、2000年以上嘘を信じていたことになりますし、もっと長い期間無知だったのです。
 実は、人類が真実を知ってから400年位しか経っていないのです。

 確かに、実生活では知らなくても生きていけます。
 でも、せっかく人類が手にした貴重な真実なので、忘れ去られるのは悲しいです。


2) なぜ?

 物理学の発端は「なぜ?」から始まりますが、
 実は物理学は「なぜ?(why)」に答えたことがありません。

 それは「何か?(what)」を明確にし、「どのように?(how)」働くものか
 に答えているに過ぎません。
 そのため、答えたはずのものには、もう一段深い「なぜ?」が待っています。


3) 説明

 なぜ「同時に落ちる」のか? に答えようとしてみましょう。

 重い物には大きな引力が働きます。
 重い物(質量の大きい物)は 軽い物(質量の小さい物)よりも
 加速させるのにより大きな力を必要とします。
 それが相殺して、同時に落ちます。

 なぜきっちり相殺するのか?が次の「なぜ?」です。


4) 数式

 数式で表現してみましょう。

 距離 r 離れた、質量 m と M の物体間に働く引力 F は、
   F = GMm / r^2
 です。(Gは、重力定数と呼ばれる比例定数。)

 一方、力 F によって生じる加速度 a は、その比例定数を m と置いて、
   F = ma
 と書けます。

 F を介して、等式を立てる(両式からFを消去する)と、
   ma = GMm / r^2
 です。
 あ、両辺を m で割ると、
   a = GM / r^2
 です!
 これによって、質量 M の地球に引っ張られる 質量 m の物体は、
 m に依らずに同じ加速度で落下します。


5) 本当?

 上記の数式は「同時に落ちる」という答えを丸暗記した人よりも一歩進んで
 考えることができた人の説明です。

 でも、本当は両辺の記号 m が同じだからという理由で無条件で m を消去はできません。
 二つの m は、別の式の比例定数でした。

 F = GMm / r^2 の m は、重力質量と呼ばれ、
 F = ma の m は、慣性質量と呼ばれています。

 そして、この二つの質量は、奇跡的に一致します。
 10^(-9) の精度で一致することが実験で確認されているそうです。

 このように、「なぜ?」に数式で答えたつもりが、
 なぜ、重力質量 = 慣性質量 なのかという、新たな「なぜ?」を生み出しました。
 人類は、答えを知りません。
 最近話題のヒッグス粒子が云々という話もありますが、
 新しい what と how にすり替えて答えたとしても、why には答えられません。

 それから、ある予備校講師のCMでの言葉を思い出します。
 「数式は言葉です。計算じゃない。」
 同じ m という記号で書いたものが、本当に同じものかは計算では分からないので、
 何を数式で表現したのかを説明できなくてはいけません。


6) 計算

 せっかくなので、重力加速度 g を計算してみます。
 重力質量 = 慣性質量 はとりあえず認めておいて、
 地球の質量 M と地球の半径 R と重力定数 G から g を求めます。

   G = 6.67 × 10^(-11) m^3 s^(-2) kg^(-1)
   M = 5.97 × 10^(24)  kg
   R = 6.37 × 10^(6)   m

 ですから、g = GM / R^2 に代入して、
   g = 9.8 m/s^2
 となります。よく知られた結果と一致しました。


7) 重さ

 この辺の話題は尽きませんが、ついでなので、あと少しお付き合い下さい。

 昔は、中学校で「重さ」と「質量」の違いを習い、
 重さに関して、「kg重」という力の単位を習いました。
 そして、高校で力の単位 N (ニュートン)を習っていました。

 しかし、今では中学校でも「kg重」ではなく「N」で習うそうです。
 これはちょっとした進歩だと思いました。
 「1N は 約100g の物体に働く重力の大きさ」と習うそうです。

 ただ個人的には、円周率3の反省を踏まえて、
 もう少し正確に「1N は 約102g の物体に働く重力の大きさ」あるいは、
 「1N は 約0.1kg の物体に働く重力の大きさ」の方がいいのではと感じていますが。


8) TomoScope

 今回は、ほとんど X線CTのメルマガであることを忘れてしまっていました。
 なので、少し追記します。

 TomoScope は小さいタイプ TS-200 の質量は、約3000kg、
 大きいタイプ TS-HV500 の質量は、約11000kg です。

 X線遮蔽の壁も重たいですが、中のグラナイト定盤もかなりの質量です。

 測定機にとって、床振動は考慮すべき事項です。
 弊社でも、測定機の設置場所の床振動を加速度センサーとFFTアナライザーで
 測定することがあります。

 TomoScope は、十分な質量を持っているため、振動の影響を極めて受けにくいです。

--
高野智暢


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