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誤差の伝搬

発行:エスオーエル株式会社
http://www.sol-j.co.jp/

連載「X線CTで高精度寸法測定!?」
2013年1月10日号 VOL.020

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いつもメールマガジンをご愛読頂きまして、誠に有難う御座います。
本年もよろしくお願いいたします。

今年最初の話題は、測定とは切っても切れない関係にある「誤差」について、
基礎的なお話にしようと思います。


測定値 x は、測定精度を高めることによって、
真の値と呼ばれる数値 X に漸近的に近づくと考えられます。
これを式で書くと、誤差 ε は、

  ε = x - X

となります。


では、測定精度の尺度として、どんな量を計算したらよいでしょうか?
単純に考えると、誤差の平均を取ってみよう!と思います。
しかし、少し考えると、平均を計算しようとして足していくと、
プラスとマイナスが打ち消しあって、欲しい情報が得られないことが分かります。

そこで、それぞれの誤差 ε_i の二乗の平均を使おうと考えるわけです。
誤差がプラスでもマイナスでも、二乗すればプラスになり、足していくことで、
大小を比較できるようになるのです。
これを平均二乗誤差と呼び、σ^2 と書きます。

式で表すと、

  σ^2 = (1/n) × Σ(ε_i)^2

となります。ただし、Σ は 1〜n まで和を取っているという意味です。

この平均二乗誤差 σ^2 とはなんだ?
σという記号を使っているけど見覚えがあるような
と思われた方は、誤差が正規分布に従うと仮定して、
ε^2 の平均値 <ε^2> を計算してみて下さい。

正規分布関数を f(ε) として、

  <ε^2> = ∫ε^2 f(ε) dε

を計算します。
本題の誤差の伝播まで先が長いので、計算過程は省略しますが、
(いつか機会があれば、ご紹介します。)
答えは、 <ε^2> = σ^2 となります。

あ!σは正規分布の標準偏差か!!となります。


準備のつもりが少し長くなってしまいましたが、
続いて誤差の伝播について考えてみましょう。

例えば、体積 V を測定する場合は、V を直接測定するでしょうか。
普通は 長さを測って、掛け算や足し算をします。
直方体でしたら、各辺の長さ x, y, z を測って掛け算します。

一般に直接測定される量を x, y, z, ... として、求める量 W を関数として、

  W = F( x, y, z, ...)

とします。
誤差は、測定値に対して十分小さいので、テーラー展開して高次項を落とすことで、
W の 誤差 δW は、直接測定値の誤差 δx, δy, δz, ... を使って、

  δW = (∂F/∂x)δx + (∂F/∂x)δy + (∂F/∂x)δz + ...

と書けます。(これを 式☆ としておきます。)
誤差は正負の値を取るので、各項の絶対値を取ることで

  |δW| ≦ |(∂F/∂x)δx| + |(∂F/∂x)δy| + |(∂F/∂x)δz| + ...

となります。

W が和の形 W = ax + by + cz + ... のときは、

  |δW| ≦ |aδx| + |bδy| + |cδz| + ...

であることが分かります。直接測定値の誤差が間接測定値 δW に
どう効いてくるかが分かりました。


では、体積のように積の形の場合はどうなるでしょうか。
W を積の形 W = x^a × y^b × z^c × ... としてみます。

積のままでは計算しにくいので、両辺の対数を取って和に直します。
対数の微分は逆数になりますので、計算すると、

  |(δW)/W| ≦ |a(δx)/x| + |b(δy)/y| + |c(δz)/z| + ...

となります。
直接測定値の相対誤差が間接誤差の相対誤差として伝播することが分かりました!


では最後に、平均二乗誤差の伝播をみてみましょう。
上記の 式☆ の両辺を二乗します。
各項の総和を取って、平均します。すると、

  σ^2 = (∂F/∂x)^2 (σ_x)^2 + (∂F/∂y)^2 (σ_y)^2 + (∂F/∂z)^2 (σ_z)^2 + ...

となります。これが平均二乗誤差の伝播です。

途中の計算は、テキスト打ちだと、とても見にくくなってしまったので、
省略しますが、途中で出てくる Σ(δx_i)(δy_i) とか Σ(δy_i)(δz_i) とかの項が、
正負が相殺して 0 になることに気が付けば計算できます。
(冒頭であったように、二乗の和は値が残るが、単純な和では値が残らないのと同じ考え方です。)

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高野智暢


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