連載「X線CTで高精度寸法測定!?」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 光電効果によるX線の吸収 発行:エスオーエル株式会社 http://www.sol-j.co.jp/ 連載「X線CTで高精度寸法測定!?」 2012年11月10日号 VOL.018 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 前回,吸収係数μを分解すると,   μ = (光電吸収の効果) + (弾性散乱の効果) + (非弾性散乱の効果) + (電子対生成の効果) のように書けることに言及しました. 今回は,光電吸収の効果τについてのお話をお伝え致します. 光電吸収と言っていたのは,光電効果によるX線の吸収のことです. 光電効果とは,X線などの光が物質に当たって,その中の電子にエネルギーを与え, 電子が飛び出す現象です. このとき,エネルギーを与えた光子は消滅します. 光子が消滅せずに散乱するときは,非弾性散乱になります. 余談ですが,学生時代,私の専門は素粒子物理学でしたので, 量子力学と相対性理論の枠組みで,ファインマン図というのを使い, 非弾性散乱の計算をすることがありました. 機会があれば,どんな計算なのかをご紹介したいと思いますが, 長くなりそうなので,簡単に説明できるお話の構成を考えてみます. さて,光子が電子にエネルギーを与えずに散乱するのが,弾性散乱です. 光電効果の話に戻って,豆知識ですが, 相対性理論で有名なアインシュタインは,相対性理論の功績ではなく, 光電効果の理論的解明によって,1921年のノーベル物理学賞を受賞しています. 光電効果は,光の粒子的性質が現れたものです. 光が波と考えると,光電効果は上手く説明できません. 昔は,光は波か粒子かで論争がありましたが, 今では,量子力学の枠組みで,光は波と粒子の性質を併せ持つということで 決着しています. 本題の光電吸収の効果τについてですが, 次のような式が知られています.   τ = kρZ^3λ^3 ここで,kは比例定数,ρは密度,Zは原子番号,λはX線の波長です. 光電吸収は,物質の密度に比例しますが, 原子番号とX線の波長は3乗で効いていることが分かります. 吸収係数は,光電吸収だけではないので一概には言えませんが, この式はX線CTをかける際には参考になります. X線CTは,複雑な要因が絡んでややこしくなっていますが, 一つずつ紐解いていけば,見通しが良くなっていきます. 今後も話のネタを見つけては,いろいろご紹介していきます. -- 高野智暢 ☆TomoScope専門サイトはこちら☆ ●┳┳┳●━━━━ 連 絡 先 ━━━━━━━━━━━━━ ┣╋╋○ エスオーエル株式会社 ( SOL ) ┣╋○ 〒335-0012 埼玉県戸田市中町1-34-1 ┣○ Tel: 048-441-1133 Fax: 048-445-1678 ● Email: sales@sol-j.co.jp Web: http://www.sol-j.co.jp    --デモ測定を承ります-- 詳細は上記Webサイトまで

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